20トン戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 15:52 UTC 版)
1935年の時点でいまだフランス歩兵は満足する性能の中戦車を受け取っていなかった。高性能な重戦車としてルノーB1が配備されており、歩兵支援用の軽戦車はルノー R35とオチキス H35およびFCM 36の生産開始が目前となっていた。しかし中戦車に関しては完全なる失敗作となったルノーD1およびその多少の改良で終わってしまったルノーD2しか存在していないため、新型中戦車の開発が必要となった。 この中戦車は戦略的な攻勢作戦や機動防御の中核となる5個機械化歩兵師団それぞれの独立戦車大隊を充足させるために少なくとも250輌が必要とされた。 フランスにはすでに騎兵科のために高性能なソミュアS35が開発されていたが、歩兵科はこれを採用しようとはしなかった。理由は2つあり技術的理由として登坂力の低さが指摘されており、もう片方の理由は歩兵科は戦車設計の上で騎兵科に対し優越することを望んでいたからである。 1935年12月18日に最初の仕様書が「20トン歩兵戦車」(Char Moyen d'Infanterie de 20 tonnes)としてまとめられた。主な要求された性能は整地で50 km/h かつ不整地で 20 km/h の速度、航続距離400 km 、2 m の塹壕超越能力、深さ 120 cm までの渡河能力、高さ 80 cmかつ角度 45° の登坂力、40 mmの装甲、47 mm 戦車砲および 7.5 mm 機関銃の搭載、化学兵器に対する防御、無線機の搭載などであった。20 トンという制限は鉄道輸送や橋やポンツーンの重量制限など輸送上の制約によるものである。全体的にはソミュアS35と似たような性能であった。
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