1960年代前半・Nゲージ規格の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 01:52 UTC 版)
「Nゲージ」の記事における「1960年代前半・Nゲージ規格の成立」の解説
1958年に西ドイツのアーノルト(Arnold)により試作品が公開された小型鉄道模型が1960年にラピード200(Rapido 200)として発売されたが、縮尺が1/200と表示されているこの製品は機関車の大きさは現在のNゲージ製品よりも小さく、客車もノンスケールに近い玩具的形態をしていること軌間も9mmよりもやや広いことからNゲージとは言いがたい製品である。 世界で最初のNゲージといえる電動模型システムは、1960年のクリスマスシーズンにイギリスのローンスターが発売した、縮尺1/152・軌間9mmの Treble-O-Lectricシリーズである。この製品はイギリス型車輛の他アメリカ型車輛も製造されたが、販売期間は短く電動模型としては1965年頃には製造を終了している。 1962年にはアーノルトがラピード200の規格を現在のNゲージと同じ縮尺1/160・軌間9mmに変更して「アーノルト・ラピード(Arnold Rapido)」 のブランド名で販売を開始した。この製品は以前のラピード200製品と連結が出来、従来のラピード200製品もそのままアーノルト・ラピードの名称で販売された。1963年には「アーノルトカプラー」(「ラピードカプラー」)が開発された。 最初のNゲージ製品はどの製品かという問題は、現在のNゲージと同じ大きさで軌間9mmの鉄道模型という点ではローンスターのTreble-O-Lectric であり、一般的な縮尺1/160・軌間9mmの規格を初めて採用したという点では1962年のアーノルト・ラピード製品ということになる。しかし両者の知名度の差から日本ではアーノルトがNゲージのパイオニアとされる場合が多い。 1964年、西ドイツのトリックス(Trix)が縮尺1/160・軌間9mmの規格で「ミニトリックス・エレクトリック(MINITRIX Electric)」(現在の「ミニトリックス(MINITRIX)」)のブランド名で参入した。同年、東ドイツのピコ(Piko)が参入した。 これら軌間9mmの鉄道模型は当初は、「OOOゲージ」やメーカーのブランド名で呼ばれていたが、複数のメーカーによる製品が発売されたことでひとつの規格としての認識が広がり、1964年には「Nゲージ」の名称と規格が制定された。日本では当初ナローゲージと混同されることを恐れて「9mmゲージ」の名称が使用されたため、「Nゲージ」という呼び方が一般的になるのは1970年代に入ってからである。
※この「1960年代前半・Nゲージ規格の成立」の解説は、「Nゲージ」の解説の一部です。
「1960年代前半・Nゲージ規格の成立」を含む「Nゲージ」の記事については、「Nゲージ」の概要を参照ください。
- 1960年代前半Nゲージ規格の成立のページへのリンク