熱型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 20:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動熱型(ねっけい、ねつけい、英: fever type)は、時間とともに変化する発熱の程度をいくつかのタイプに分類したものであり、診断する上での材料となる。
定義
解熱剤や抗生剤を用いず、患者の体温の推移を測定し、それをいくつかの類型に分類したものである。
診断的意義
一部の伝染病では特異的な熱型を示し、なかには熱型を見ただけで、診断がつくものもあった。
公衆衛生の向上により伝染病の割合が減少したことや効果的な抗生剤の出現と及び診断機器の進歩により、熱型の役割は限定的なものとなってきている。
しかし、このような現代の診療においても、診断に苦慮する場合に熱型表が診断の一助となることもある。
分類と代表的疾患
- 稽留熱
- 日差1℃以内で持続 大葉性肺炎、腸チフス、ブルセラ症、粟粒結核
- 弛張熱
- 日差1℃以上で、最低体温が37℃以上 敗血症、膿瘍、膠原病、成人still病
- 間欠熱
- 高熱期と無熱期の日差が1℃以上で最低体温が37度以下 マラリア、敗血症、Felty症候群
- 回帰熱
- 1ないし数日の正常体温期の間に短期間の有熱期 ボレリア感染、Hodgkinリンパ腫
- 周期熱
- 規則的な周期を持つマラリア(3日熱、4日熱)
- 波状熱
- 有熱期と無熱期が不規則に交互に現れる ブルセラ症
問題
熱型を判断している間は、治療的関わりなしとなるため、患者は高熱による苦痛などを被ることになる。[1]
こうしたことをうけ、発熱が見られただけで確定診断に至る前からすぐに解熱剤を投与されたりするため、結果的に診断に苦慮して患者の病悩期間を引き延ばすという懸念がある。
現状
熱型以外の臨床所見から診断が確定できる疾患に関しては、患者の苦痛を可及的速やかに取り除くため、解熱剤や抗生剤を早期に使用する一方、発熱以外に臨床症状に乏しい不明熱では、熱型の観察に努める事により起炎菌などの発熱の原因を探索するといった戦略がとられている。
出典・脚注
- ^ 南山堂医学大事典第19版
外部リンク
熱型 - コトバンク、2020年4月13日閲覧
熱型 (非冷却型)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 04:44 UTC 版)
熱型(非冷却型)赤外線センサは、赤外線を受光して熱によってセンサーが温められ、素子温度が上昇することで生じる電気的性質の変化を検知するものである。 量子型(冷却型)と比して感度、応答速度は低いが、波長帯域が広く常温で使えるのが特徴である。熱電効果を利用した熱電素子(サーモパイルなど)、焦電効果を利用した焦電素子(PZTなど)、温度による電気抵抗の変化を利用したボロメータなどがある。また、温度に応じて可逆的に変色する感温液晶マイクロカプセルを塗布した撮像素子による赤外線画像の撮像方法もある。 常温で使用でき、冷却措置を必要としないことから小型、軽量化できるが、その反面で、素子の熱容量に影響を受けるため、解像度や階調、残像、感度など、画質は冷却型と比較した場合に劣る。 なお、熱型(非冷却型)赤外線センサによる撮像素子の場合、熱源と背景の赤外線の放射量の差が存在しなければ何も検知することができない。すなわち、背景と熱源の温度差が小さい場合は背景と熱源を見分けることが難しく、温度差が無い場合には原理的に撮影することができない。また、常温でも作動するものの、熱雑音の影響排除による感度向上のため、ペルティエ素子などによる冷却措置が導入されることもある。
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