じゃ‐おどり〔‐をどり〕【蛇踊(り)】
龍舞
(龍踊り から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 00:51 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動龍舞 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 舞龍 |
簡体字: | 舞龙 |
拼音: | wǔ lóng |
発音: | ウーロン |
龍舞(りゅうまい)は、中国語で舞龍(ウーロン)・玩龍灯などと呼び、中華圏の伝統的な踊りで、龍が玉を追いかける様子を模している。龍は多数の人間によって操られ、しばしばアクロバティックな動きを見せる。地域ごとにさまざまな変種がある。現代では中国のみならず世界各地の中華街で踊られる。2006年に中国の非物質文化遺産に指定された[1]。
日本にも伝来し、長崎くんちの龍踊(じゃおどり)が有名であるが、獅子舞にくらべると馴染みがなく、さまざまな名で呼ばれる。横浜中華街や神戸南京町のサイトでは「龍舞」の語を用いており[2][3]、本記事でも「龍舞」と呼ぶ。
概要
龍舞では「龍珠」と呼ばれる丸い玉をひとりが操作し、それを布などで作った龍が追いかける。龍は通常複数の人物によって操作し、ドラや太鼓の音にあわせて上下左右に踊らせる[4]。
元宵節に「龍灯」と呼ばれる龍舞の行事がある[5]。ほかにも春節や秋の収穫祭でも龍舞を行うことがある[4]。香港では大坑と薄扶林で中秋節に行われる「舞火龍」がよく知られ、龍舞とは別に香港の非物質文化遺産に指定されている[6]。
世界各地の中華街で、春節の出し物のひとつとして龍舞が行われる。
歴史
獅子舞の起源がはっきりしないのに対し、龍舞は早くから文献に見える。『春秋繁露』には雨乞いのために龍の踊りを行うことを述べ、季節ごとの龍の色や頭数を細かく規定している[7]。漢代の画像石にも龍舞を描いたものがある[8]。ただ、これらが現在の龍舞にどう繋がるか明らかでない。
踊りではないが、12世紀の『東京夢華録』には元宵節にわらで龍を作り、その上に灯を多数並べることを記す[9]。
日本には14世紀に長崎に伝来した[4]。享保年間に長崎の人が諏訪大社に蛇踊りを奉納し、諏訪市ほか各地でも踊られるようになった[10]。浅草寺の金龍の舞や、金華山の龍踊りはいずれも新しい。
脚注
- ^ 『国务院关于公布第一批国家级非物质文化遗产名录的通知』 中华人民共和国中央人民政府、2006年 。
- ^ 『特集 中国獅子舞について』 横浜中華街 。
- ^ 『龍舞』 熱烈歓迎 南京町 。
- ^ a b c 池上(2012) p.150
- ^ 池上(2012) p.149
- ^ 『首份香港非物質文化遺產清單』 非物質文化遺産辦事處 。 (2.2が舞龍、3.32が舞火龍)
- ^ 『春秋繁露』求雨第七十四
- ^ 『砖墙壁画上的汉代舞蹈』 新浪云南、2013年 。ただし林巳奈夫は山東省沂南北寨村の画像石を龍ではなく「角の生えた獅子」とする。林巳奈夫『中国古代の生活史』吉川弘文館、1992年、115頁。ISBN 4642073116。
- ^ 『東京夢華録』巻6・元宵
- ^ 池上(2012) pp.272-274
参考文献
- 池上正治『龍と人の文化史百科』原書房、2012年。 ISBN 9784562048649。
関連項目
龍踊り(じゃおどり)
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くんちで奉納される演し物の代表格。現在、籠町、諏訪町、筑後町、五嶋町が奉納しており、毎年のように見ることができる(ない年もある)のだが、踊り町によって内容や登場する龍の種類や演出は異なる。 基本的に龍が玉を追いかける「玉追い」→とぐろを巻いた龍が自分の体に隠れた玉を探す「ずぐら」→胴の下をくぐって再び「玉追い」の流れとなっている。胴くぐりを行う際は頭がくぐり終わったところで龍尾衆と九番衆も同じ場所をくぐらせるため、龍体がよじれないようになっている。 交代要員や総指揮、龍指揮全てを合わせると龍一頭の奉納踊りを80名程度の人員が構成する。 構成 玉使い 龍が追いかける玉を持つ。玉使いと龍衆は重労働であるため、交代要員が用意され、総交代を行いながら演技が披露される。 龍衆 頭の担当者を龍頭衆(じゃがしらしゅう)、胴体の担当者を二番衆〜九番衆、尾の担当者を龍尾衆と呼ぶ。担当位置によって動きは異なってくる。 囃子方 長ラッパ、大太鼓、大銅鑼、皺鼓(ぱら)、小鉦(きゃん)、蓮葉鉦(ばつお)などの楽器にて構成される。 皺鼓 表面に張った皮を籐(とう)の棒で打つとパラパラと音がする。 小鉦 チーク材の棒先を軽く当てて鳴らす楽器。 蓮葉鉦 シンバルのような楽器で大蓮葉鉦、中蓮葉鉦、小蓮葉鉦に分かれる。大ばつおと中ばつおはすり合わせるように鳴らし、小ばつおは打ち合わせて鳴らす。 籠町の龍踊り 籠町の龍踊りの囃子方
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