「ヒガシ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 07:08 UTC 版)
いわゆる「天満流」のことである。大阪市内の地車囃子の圧倒的多数が、この「ヒガシ」の流儀を継承している。これは、1972年以降、鯛船の廃止で「長柄流」がマスコミに取り上げられる回数が激減したことと無関係ではなかろう。「ヒガシ」の特徴としては、最初からかなりのアップテンポで演奏される点が挙げられる。その力強く速い打ち方にしびれる地車囃子のファンも多い。最終楽章のしゃんぎりになると、相当な速度で打たれるが、最後の“チキチキチン、コン”はスローテンポとなる。そして、「うた」も新しいものを含んでいる。また踊りは、いつしかマスコミによって「龍踊り」の呼称が一般化した。指を龍の爪に模すなど、ここにも「天満流」の新しさがあるのだが、これを真似る地車囃子の保存会、講・連も圧倒的多数である。二対の踊り手が離れたり近づいたりするところを見せ場としている保存会、講・連もある。さらに、天満市場からの反発はあった(『大阪春秋』49号)ものの、女性が踊る点においても革新的といえよう。なお、「ヒガシ」のアップテンポな演奏こそが、曳行する地車の制約から解放された音楽の典型例とも考えられる。曳行のない祭囃子ゆえ、爆走モードの演奏もできるようになったのである。
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