「ヒット」の選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 08:24 UTC 版)
「ハイスループットスクリーニング」の記事における「「ヒット」の選択」の解説
HTSにおいて、効果の見込みが大きい化合物は「ヒット」といわれている。「ヒット」を選択するプロセスが、hit selection(「ヒット」の選択)といわれている。繰り返しがある場合と繰り返しがないスクリーニングでの、「ヒット」の選択のための分析方法は異なりる。繰り返しがないスクリーニングは通常は初めのスクリーニングで、繰り返しのあるスクリーニングは通常は確認のためのスクリーニングである。例えば、z-score method(Zスコア法)は反復のないスクリーニングに適し、t検定は反復のあるスクリーニングに適している。反復のないスクリーニングのための、SSMDの計算も、反復があるものとは異なる。 繰り返しのない一次スクリーニングでの「ヒット」の選択のために、容易に解釈できる違いは、average fold change(平均倍率変化)、mean difference(平均差)、percent inhibition(阻害パーセント)、およびpercent activity(活性%)である。しかし、それらは効果的にデータの違いを捕捉しない。すべての化合物は、スクリーニング内のネガティブコントロールと同じ値を持っているという仮定に基づいてデータの変動をとらえるのが、z-score method(Zスコア法)またはSSMDである。しかし、そのようなZスコアのような方法は、外れ値に敏感であり、HTS実験では外れ値は一般的であり、問題となる可能性がある。結果として、z*-score method, SSMD*, B-score methodや、quantile-based methodのような強固な方法が提案され、「ヒット」の選択のために採用されている。 繰り返しのあるスクリーニングでは、直接、各化合物の変動を推定することができる。結果として、我々は、z-scoreやz*-scoreが依存する強い仮定(訳注:おそらく、前段落のネガコンと同じ値をもっているという仮定)に依存しないSSMDまたはt検定を使用する必要がある。t検定とp値を用いるひとつの問題は、それらはサンプルサイズおよびeffect sizeによって影響されることである。それらは平均差の検定はできても、化合物の効果の大きさを測定するためには設計されていない。「ヒット」の選択のための、大きな関心事は、試験した化合物の効果の大きさである。SSMDは直接影響の大きさを評価する。SSMDは、他の一般的な効果の大きさよりも良好であるかが示される。SSMDのpopulation valueはいくつもの実験を通しての比較を可能にし、化合物の効果の大きさを測定するために、SSMDのpopulation valueに対して同じカットオフを使用することができる。
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