高速試験車UM-AN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/04 09:41 UTC 版)
「西ドイツ国鉄202型ディーゼル機関車」の記事における「高速試験車UM-AN」の解説
各種試験の終了後、しばらく保管されていた202 002 - 004の3両であったが、1980年代に入り高速新線(NBS)と呼ばれる、日本の新幹線の影響を多分に受けた高規格高速鉄道網の整備計画が具体化し、そのNBSを高速で走行可能な列車の研究開発が強く求められるようになった。このため、NBS用新型車のデータ収集用として、遊休状態となっていた本形式3両の内、202 003-0が高速試験車として改造されることとなった。 UMkopplebare ANtriebsnassem、略してUM-ANと命名されたこの車両は、一方の妻面を丸い鉄仮面のような流線型へ改造し、屋根肩部などに空力カバーを設置、エンジンは若干出力を増大させて2,750psとし、全く新しい駆動システムを取り入れた。 そのため、DELであることには変わりはないが、最高速度250km/hでの運転を企図して設計された、新型2軸ボギー台車を装着する。 後に住友金属工業が開発したモノリンク台車と同様に、1本リンクで軸箱を案内し、軸箱をウィングばねで支持する特徴的な構造のこの台車は、二段減速式駆動系の中空軸構造の2段目軸にブレーキディスクを内蔵、高速域では油圧シリンダーによってこの駆動装置を持ち上げるように作用させることで、高速域でのばね下質量の軽減に役立てている。 一方、この台車には巨大なレールブレーキが搭載されている。 本車はエンジン出力の不足から単独での最高速度到達が不可能で、後押し用に西ドイツ国鉄103型電気機関車を連結した状態で試験運用に充当され、後のICEのための様々なデータが収集された。
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