高砂義勇隊に関連した裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/19 23:19 UTC 版)
「高砂義勇隊」の記事における「高砂義勇隊に関連した裁判」の解説
戦後、強制的に軍事郵便貯金に預けさせられ引き出せないままとなっている給与等の払い戻し(確定債務問題)、戦死者の靖国神社への合祀などを巡って生存者や遺族の一部は裁判等で係争を続けていたが、2005年9月30日の大阪高裁の判決で敗訴が確定した。大阪高裁での判決は、地元原住民メディアも取材し即日台湾にて放送された。反対する生存者や遺族も居り、また靖国神社への参拝などを希望し、継続している。靖国神社が「いったん合祀した英霊を分割する事は出来ない」と主張するなか、台湾団結連盟靖国神社参拝事件に反発して2005年6月14日には台湾の立法委員(国会議員)高金素梅(チワスアリ)ら60人の台湾原住民が靖国神社を訪れた。これは戦没した義勇兵の霊を取り戻す儀式「還我祖霊」を行う為との説明ではあったが、実際は以前に「還我祖霊」を靖国神社にて挙行しており(1回目は靖国神社も認可を出している)、また参加した60人の台湾原住民への来日募集要項に記載されている日程は、大部分は日本の観光地めぐりであり、いろいろ議論を引き起こしている。 今回の高金素梅らの行為は台湾の各種メディアで大きく報道され、台湾内部でその行為の是非について議論を呼んだ。支持者と反対派では、この報道についての受け取り方が大きく異なっている。 支持者から見た見方 台湾原住民の習慣に先祖を自宅で祭る文化があり、自宅で先祖を祭らない者は「不孝者」として、コミュニティ、世間体から軽蔑視される文化があった。このような背景の下で、台湾原住民及びその他台湾出身の旧日本軍遺族の強い意思で、「迎霊招魂」の儀式の挙行を望んでいるのに、靖国神社が断固として台湾の遺族の意思、そして台湾の文化を無視した点については、台湾の一部メディアは高金素梅ら及び遺族に対して同情を示し、また日本政府及び靖国神社の強硬な対応を批判的に捉えている。 反対派から見た見方 各種メディアの報道ではこの運動は台湾人の意見を代表するものではないとの批判的な意見が出されている。また、「「迎霊招魂」の儀式の挙行を望んでいる」という主張に対して、過去に「迎霊招魂の儀式」を靖国神社側が許諾し一度であるが挙行されているため、支持者の主張の一部は満たされているはずと靖国神社側は主張している。大阪地裁への訴訟の際にも、台湾原住民本人の許諾なしで数百名の名簿を作成。しかしその名簿を元に個人確認を行った結果、ほとんどは同意なしで名簿化されたことが確認され名簿からの抹消が行われた。 参照:大日本帝国と英霊と靖国神社(民間伝承)
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