駅立地による制約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:26 UTC 版)
前述した、駅舎と駅を出てすぐに存在する橋梁の位置関係から、駅を出てすぐに半径100 mの急カーブが存在し、ここは15 km/hの速度制限がかかっている。各ホームへの分岐器はカーブ状に設置されているが、両渡り分岐器をカーブの途中に設置することが不可能なため、橋梁上に設置されている。ゆっくりと隅田川を渡る風景は当駅の一つの情緒ともなっているが、車輪とレールの摩擦音による騒音など、いくつかの問題も生じた。 しかし最大の問題は、この立地によりホーム先端が急カーブにかかっており、かつこれ以上のホーム延伸が不可能な点である。入線可能な列車は基本的に20 m級車では6両編成までに制限される。例外として1番線のみ8両分の有効長があり、朝夕の時間帯には8両編成の列車が発着する。かつては4両編成2本併結列車の入線が不可能であったが、2009年12月より可能となった。 1・2番線ホームは急カーブやホーム上にある柱(正確にはEKIMISEのエレベーター)の関係で、入線部分のホーム幅が極度に狭く、転落事故や1・2番線ホームを発着する電車と乗客とが触車事故を起こす危険性があることから、1番線に発着する8両編成の列車と2番線ホームに発着する6両編成の列車はとうきょうスカイツリー寄りの2両がドアカット扱いとなり、その部分に柵が設置されて立入禁止となっている。また、ホームが急カーブであるため、6両編成がほぼ直線上に停車できるのは1番線のみであり、それ以外のホームのとうきょうスカイツリー方ではホームと車両との間に隙間が生じる。このため、3・4番線に入線する特急列車のうち、とうきょうスカイツリー方の車両(約4両分)の乗降ドアには、転落防止のため駅員によって車両とホームに跨る可搬式の渡り板がかけられる。 また、これも急カーブで短編成の列車は信号機の見通しが利かないため、分岐器の手前にある正規の出発信号機に加えて、1番線ホームは6両編成、その他のホームは4両編成の先頭車停車位置(いずれもホームの途中)にも出発信号機を設けている。これは中継信号機的なもので、閉塞を区切る機能はない。 急カーブでは左右の車輪の進む距離が極端に異なるため、車輪とレールの摩耗が進みやすく、大きな「きしり音」も発生する。これを軽減するため、曲線部の線路脇には多数の「レール塗油器」が設置されており、レールとバラストはその油で黒々としている。
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