香港国家安全維持法による言論弾圧の激化
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「2019年-2020年香港民主化デモ」の記事における「香港国家安全維持法による言論弾圧の激化」の解説
2020年7月1日、香港返還から23年目を迎える。香港当局は、この日も新型コロナウイルス対策を理由に民主派による集会を禁止したが、それを無視して1000人近い市民がデモ行進をしたため、香港警察は「国家安全維持法に基づき逮捕する可能性がある」と書かれた警告旗を掲げ、放水車を使ってデモ隊を強制排除し、370人を逮捕した。また、デモ現場で「香港独立」と書かれた旗を所持してした男性が国家分裂を企てた容疑で「香港国家安全維持法」に基づいて香港警察に逮捕され、これが「香港国家安全維持法」が初めて適用された例となった。イギリス政府は、国家安全法が一国二制度を約束した1984年に英中両国が調印した英中共同宣言に違反していると批判して、香港返還前からの香港市民に発行される「英国海外市民(BNO)旅券」所持者に、従来半年間が期限だった滞在許可を5年間に延長し、その後の市民権申請を認める「特別な移民受け入れルート」を明らかにした。 2020年7月2日、著名な民主活動家の羅冠聰(ネイサン・ロー)氏がFacebookへの投稿で香港を離れたことを明らかにした。現在はイギリスに滞在しており、香港警察に国家安全維持法違反の容疑で指名手配されている。 2020年7月3日、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「香港国家安全維持法」について、「定義があいまいで範囲が広すぎる」と指摘し集会の自由や表現の自由といった基本的人権が侵害される恐れがあるとの見解を示した。同日、カナダは香港との犯罪人引渡し条約を停止を発表した。カナダは、中国が「香港国家安全維持法」を施行して以来、香港との犯罪人引渡し条約を停止する最初の国となった。 2020年7月4日、著名な民主活動家の黄之鋒氏ら3人の著書9種類(所蔵数400冊以上)が、4日までに香港の各公立図書館の本棚から撤去され蔵書検索サイトでも「審査中」等と表示され貸出予約が行えなくなっている。黄之鋒氏は「言論弾圧がますます広がっている」と対応を批判している。(香港と台湾での禁書を参考)
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