餌としてのドングリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 15:48 UTC 版)
多くの動物がドングリを食用にしている。 ドングリを作るブナ科植物は、暖帯から温帯にかけての森林では、どこでも主要な構成樹種である[要検証 – ノート]。暖帯では常緑のシイ・カシ類が照葉樹林の主要構成樹種であり、温帯ではブナ・ミズナラなどが落葉広葉樹林の中で占める割合が大きい。人工的な撹乱がある場所では、クヌギ・コナラなどが出現する。 これらブナ科植物の果実は個々の果実も大きく、肥大した子葉に大量のデンプンを蓄え、また生産量も多いことから、特に哺乳類にとって、秋の重要な食料であり、ドングリの出来不出来が、森に棲む野生動物の秋から冬の生存に大きな影響をもたらす。 シイ類の果実は樹上ではムササビ、地上への落下後はネズミやカケスなどの食料となる。また、ブナやミズナラの果実はツキノワグマの主要な食料であり、これらの落葉樹林でドングリが不作の年には人里に出没するクマが多くなる。 イベリコ豚の重要な飼料として、イベリア半島に自生するコルクガシなどのドングリが利用される。また、中央ヨーロッパにはヨーロッパブナの林の中でブタを飼う養豚林がある。日本でもかつてオキナワウラジロガシのドングリが豚の飼料として利用された。 一方、ドングリが餌として有害に働く場合がある。2014年に北海道の牧場で、肉用牛13頭と乳用牛2頭の計15頭が腎臓の障害などで死亡。網走家畜保健衛生所が解剖したところ、ドングリの成分であるポリフェノールによる中毒であることが判明した。海外でも、似た牛の中毒事例が報告されているという。
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