餌によるトラップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 12:06 UTC 版)
「トラップ (昆虫採集)」の記事における「餌によるトラップ」の解説
動物を呼び寄せる方法としては最もありがちなのが、餌で釣ることである。餌で誘引する方法を、ベイトトラップという[要出典]。 よく子供向けの昆虫図鑑に紹介されるのが、カブトムシやクワガタムシを集めるために、森林内の樹木に蜂蜜などを塗っておく、と言うものである。これもこの方法の一つである。しかし、これらの昆虫は、甘い蜜に惹かれると言うよりは、樹液の発酵した臭いに惹かれることが多いので、酒を混ぜるとか、果物と酒を合わせて煮詰めるなど、より効果的な餌が考案されている。樹液に集まる昆虫であれば、上記以外に、ハナムグリや一部のチョウ、ハエなどにも効果がある。最近ではバナナを発酵させたバナナトラップが一般的で、バナナを潰して焼酎を振りかけ、高温に晒すことで発酵させると、強烈な臭いを放つ。これを、臭いが広がりやすいような、木がぽつんと立っているような開けた場所に括り付けておく。くくりつける高さによって集まる昆虫も異なり、高所では飛翔能力の高い昆虫が、根元付近では地上性の昆虫が得られる。 他に餌で釣りやすい昆虫としては、動物の糞に集まる糞虫や死体に集まるシデムシ類や死体食のハエなど、臭いが強く、その分布が偏在する餌を求める昆虫があげられる。糞虫の研究者や収集家の間では、採集に出かけたときに便意を催した場合、自らの排泄物をトラップとして使うことが多く、半ば隠語的にセルフトラップまたはマイトラップと呼ばれている[要出典]。 より仕掛けらしいものとしては、そのような餌を、ケースに入れ、入った昆虫が出ないようにすればよい。最も簡単なのが紙コップである。地面に紙コップがちょうどはいるような穴を掘り、地面すれすれに埋め込む。そしてコップの中に餌を入れておく。翌朝に中をのぞけば目当ての昆虫が入っているというわけである。仕掛けが簡単なので、旅先へ持っていくのも困らないし、沢山仕掛けられるので、甲虫の研究者、収集家を中心に愛用されている。ただし、飛翔能力の高い昆虫が目的の場合には飛び去ることを防ぐための更なる工夫を凝らした仕掛けが必要となる。
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