須佐神社 (出雲市)とは? わかりやすく解説

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須佐神社 (出雲市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 03:29 UTC 版)

須佐神社

本殿
所在地 島根県出雲市佐田町須佐730
位置 北緯35度14分4.9秒 東経132度44分12.7秒 / 北緯35.234694度 東経132.736861度 / 35.234694; 132.736861座標: 北緯35度14分4.9秒 東経132度44分12.7秒 / 北緯35.234694度 東経132.736861度 / 35.234694; 132.736861
主祭神 須佐之男命
社格 式内社(小)
国幣小社
別表神社
創建 神代
本殿の様式 大社造
別名 須佐大宮
札所等 出雲國神仏霊場18番
例祭 4月18日
主な神事 念仏踊り
地図
須佐神社
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須佐神社(すさじんじゃ)は、島根県出雲市にある神社である。須佐之男命の御魂を祀る古社。式内小社で、旧社格国幣小社出雲國神仏霊場第十八番。

歴史

出雲国風土記』に、須佐之男命が各地を開拓した後に当地に来て最後の開拓をし、「この国は良い国だから、自分の名前は岩木ではなく土地につけよう」と言って「須佐」と命名し、自らの御魂を鎮めたとの記述がある。古来須佐之男命の本宮とされた。社家の須佐氏は、大国主神の子の賀夜奈流美命を祖とすると伝える。

旧社地は神社の北方にある宮尾山にあったとされる。現社地は盆地のほぼ中央部にあり、中世の時点ではすでにこの地にあったと考えられる。

『出雲国風土記』に「須佐社」と記載されている。『延喜式神名帳』に「須佐神社」と記載され、小社に列している。中世には「十三所大明神」「大宮大明神」、近世には「須佐大宮」と称した。

明治4年(1871年)に延喜式に記載される「須佐神社」に改称し、明治5年(1872年)に郷社に列格し、翌明治6年(1873年)に県社に、明治33年(1900年)に国幣小社に昇格した。

祭神

主祭神
配祀神[注 1]

施設

本殿・幣殿・拝殿
本殿は島根県指定文化財で、文久元年(1861年)建立[1]。方2間(約4 m)、高さ約12 mの大社造で、向かって右の1間に入口となる階(きざはし)がある。[2]。それ以前のものは、元応2年(1320年)の書の大宮古図では、方4間と記載されている。
神楽殿
社務所
潮(塩)の井
須佐之男命が自ら塩を汲み、この地を清めたと伝わる。日本海に続いてるとされ、日本海が満潮の時は井戸付近の地面に潮の花が吹く。分析すると「芒硝含有食塩泉」で弱アルカリ性との結果であった[3]
大杉
本殿の背後にあり、社伝によると、樹齢は1300年ほど推定され、幹周り7メートル、高さ30 m程度[4]江原啓之の「神社紀行」が発刊されて以降、この杉の樹皮を剥がして持ち帰る不心得者が多数現れた為、現在は幹の周辺に柵がめぐらされている。

境内社

天照社本殿
天照社
祭神:天照大神。神社の前の道路を挟んで向かい側にある。「上の御前さん」、「上社」とも呼ばれる[5]中世には伊勢宮と呼ばれた。
東・西末社
祭神:天忍穂耳命天穂日命天津彦根命活津彦根命熊野樟日命市杵嶋姫命田心姫命湍津姫命[5]
三穂社
祭神:三穂津比売命事代主命。「下の御前さん」、「下社」とも呼ばれる[5]
稲荷社
祭神:稲倉魂命[5]
随神門
祭神:豊磐間戸神と櫛磐間戸神[5]

境外社

厳島神社
祭神:市杵嶋姫命、田心姫命、湍津姫命(宗像三女神)。「洗度社」、「祓戸社」とも呼ばれる[5]
須賀神社
祭神:素戔嗚尊。「才神楽さん」とも呼ばれる[5]

祭礼

  • 1月1日 歳旦祭
  • 2月3日 節分祭
  • 2月17日 祈年祭
  • 4月18日 例祭
    • 朝覲祭 - 例大祭の神事の後に行われる、本殿から向かいの天照社まで渡御する行幸の神事[6]
  • 4月19日 古伝祭
    • 陵王舞 - 古伝祭の神事に引き続き行われる。修理固成・耕田播種の舞楽が行われる[7]。元は、陰陽師系の神人が舞ったものが変容したものと考えられる。
    • 百手神事 - 午後に行われる、悪魔退散・五穀豊穣を祈願する弓射神事[8]
  • 6月30日 大祓
  • 8月15日 切明神事
    • 念仏踊り - 午後に行われる。境内に2本の神事花が立てられ、その下に着流しを着た踊り手が円陣を描きながら「ナーマミドー」と唱え、笛に合わせて単調な動きで踊る。中世に田楽系の踊りに念仏聖たちの影響が加わったと考えられる、神仏習合色の強い踊りである。
  • 10月17日 秋季祭
  • 11月23日 新嘗祭
  • 12月31日 大祓
  • 毎月15日 月次祭

文化財

国の重要文化財

島根県指定

有形文化財
  • (建造物)須佐神社本殿 - 1966年昭和41年)5月31日指定[1]
  • (彫刻)舞楽面「納曽利」 - 1972年(昭和47年)7月28日指定[10]
  • (工芸品)黒韋威鎧残欠 - 2005年平成17年)4月15日指定[11]
無形民俗文化財
  • 須佐神社の念仏踊り - 1961年(昭和36年)6月13日指定[12]

交通

  • 出雲市駅から一畑バス「出雲須佐行き」に乗車し、須佐バス停で下車。徒歩3 km。
  • 車利用の場合、境内横に駐車場十数台分あり。

脚注

注釈

  1. ^ 配神の三柱は天文年間まで須佐川を挟んだ対岸の社地(現:ゆかり館敷地内)に祀られていたとされる。

出典

  1. ^ a b 県指定文化財一覧【建造物】 / 文化財”. 島根県教育庁文化財課. 2022年7月13日閲覧。
  2. ^ 御本殿 (県重要文化財指定)”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  3. ^ 塩ノ井 (しおのい)”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  4. ^ 大杉さん”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 末社”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  6. ^ 朝覲祭 (ちょうきんさい)”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  7. ^ 陵王舞 (りょうおうのまい)”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  8. ^ 百手神事 (ももてしんじ)”. 須佐神社公式. 2022年7月13日閲覧。
  9. ^ 兵庫鎖太刀(中身無銘) / 国宝・重要文化財(美術品)”. 国指定文化財等データベース / 文化庁. 2022年7月13日閲覧。
  10. ^ 県指定文化財一覧【彫刻】 / 文化財”. 島根県教育庁文化財課. 2022年7月13日閲覧。
  11. ^ 県指定文化財一覧(工芸品) / 文化財”. 島根県教育庁文化財課. 2022年7月13日閲覧。
  12. ^ 県指定文化財一覧(無形民俗文化財)”. 島根県教育庁文化財課. 2022年7月13日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク




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