音楽的要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:43 UTC 版)
マスコアでは変拍子やポリリズム、シンコペーション、テンポチェンジなどを用いることで、複雑で変化のあるリズムが強調され、ドラムの音量も大きい。ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プランのベーシストであるリアム・ウィルソンによれば、彼らの「聴いている人が混乱するような急激に変化するリズム」は「ラテンのリズム」とヘヴィメタルのスピードや「スタミナ」の融合であるといい、これはジョン・マクラフリンがジャズにインド音楽の要素を取り入れたのと似たようなものだという。先駆者的なマスコアバンドのドラマーのほとんどは、ジャズやオーケストラなどアカデミックなバックグラウンドを持っている。その例としてはDazzling KillmenのBlake FlemingやCrawのNeil Chastain、CoalesceのJames Dewees、ボッチ(英語版)のTim Latona、ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プランのChris Pennie、コンヴァージのBen Kollerなどがあげられる。リズムセクション同様、ギターリフも繰り返しがほとんどなく曲の展開に伴って変化し続ける。初期のバンドでは、ギターやその他の楽器がそれぞれ不協和な旋律を奏でており、ほぼ無調である。ザ・ディリンジャー・エスケイプ・プランのファースト・アルバム以来、ほとんどのバンドのギターは極端にテクニカルなものとなり、「音楽的にチャレンジングなだけではなく、肉体的にも大変」になった。 2016年に発表されたとある記事でインビジブル・オレンジ(英語版)のIan Coryは、技術的な複雑さに重きをおくマスコアの傾向をパンクの過激さを得る「ための手段」ではあるが、「目的自体ではない」としており、プログレッシブ・メタルの「過度の技術志向」とは区別している。ライターのKeith Kahn-Harrisは、マスコアバンドの中には、グラインドコアの過激さとフリー・ジャズの音楽語法の融合と表現できるものもいると述べている。
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