音楽活動と芸術性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 04:18 UTC 版)
「ミッキー・ブランコ」の記事における「音楽活動と芸術性」の解説
2010年に、アート・プロジェクトとして、ミッキー・ブランコというキャラクターで動画を作り、YouTubeで公開した。動画ではティーンエイジャーの女子学生という設定で、ブランコはこの時に人生で初めて女性的な格好をした。ミッキー・ブランコと言う名前の由来は、 ラッパーのリル・キムがもつ別人格、キミー・ブランコをもじったものであるが、当初はラップをする設定ではなかった 。普段から書き溜めてた詩をラップをすることを勧められたことから、徐々に音楽とパフォーマンス・アートを織り交ぜた形で展開されていく。その後も一貫して、映像やファッションなどの視覚表現や詩に強いこだわりを持つ。 ミッキー・ブランコとは別で、マイケル・クアトロバウムとして、インダストリアル・ノイズと詩を組み合わせたNo Fearと言うバンドを組んでいたこともある。 2012年には、ミッキー・ブランコ名義で初となるEP『Mykki Blanco&the Mutant Angels』をリリース。2016年には、デビューアルバム『Mykki』をリリースする。2011年には本名、クアトロバウム名義の詩集『From the Silence of Duchamp to the Noise of Boys』が出版社OHWOWから出版されている 。 デヴェンドラ・バンハートやカニエ・ウェストなどとの楽曲や、マドンナのMVへの出演、ビョークとツアーを回るなど、著名なアーティストとのコラボレーションも行っている。2019年5月5日、マドンナがLGBTの権利活動への影響から「 GLAAD Advocate for Change」賞を受賞する際、ブランコは ロージーオドネルとアンダーソンクーパーとともに、賞の授与を担当した 。 ブランコが影響を受けた主なアーティストとして、リル・キム 、GGアリン 、ジャン・コクトー 、ローリン・ヒル 、リアーナ 、マリリン・マンソン 、アナイス・ニンなどが挙げられる 。また、パンク・カルチャーから派生したクィア・ムーブメントであるクィアコア(英語版)や、パンク・フェミニズム・ムーブメントであるライオット・ガールにも大きく影響を受けた。中でもブルース・ラ・ブルースや現代美術家でドラァグクイーンでもあるヴァギナル・デービス(英語版)などが強い影響として挙げられる 。 ブランコは度々、クィア・ヒップホップ(英語版)のパイオニアとして挙げられる。「ゲイ・ラップ」や「クィア・ラップ」などのレッテルで括られることは不本意だとしたものの、今では「受け入れた」としている 。 また、ブランコの事をドラァグ・パフォーマーと呼ぶことに対しては、「人生で一度もヴォーギングしたことなんかない。私のバックグラウンドはパンクとRiot Grrrlだ」と否定している。他のアーティストを引き合いに自身のアーティスト像を語ることも多く、マリリンマンソンや他のラッパーでなく、むしろオノ・ヨーコの様になりたいと表現した。またブランコのデビューアルバム『Mykki』は元々、マイケルジャクソンからとった『Michael』とつけるつもりだった 。 ブランコは、アーティストとしてのペルソナであるミッキー・ブランコと、アーティスト活動外での自身の共通性を何度も強調し、ステージ上でのフェミニンなジェンダー表現は、自身のジェンダー・アイデンティティと連携しているものだとしている。女性的な装飾を纏うことも多いミッキー・ブランコの表現は、異性装としてのドラァグ・パフォーマンスではなく、自身のジェンダー探究の一部だとしており、ステージ上での表現が時期によって違うのも、自身における変化の現れだとしている。
※この「音楽活動と芸術性」の解説は、「ミッキー・ブランコ」の解説の一部です。
「音楽活動と芸術性」を含む「ミッキー・ブランコ」の記事については、「ミッキー・ブランコ」の概要を参照ください。
- 音楽活動と芸術性のページへのリンク