非定型精神病とは? わかりやすく解説

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非定型精神病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 07:56 UTC 版)

非定型精神病(ひていけいせいしんびょう、: Atypical Psychosis)は、典型的ではない、つまり非定型という意味合いで使われており、典型的な統合失調症双極性障害てんかんではないが、複数の症状を呈している際に使われる病名。したがって同じ非定型精神病と診断されても症状は、さまざまである。通常は非定型内因性精神病を指す[1]統合失調感情障害と混同されやすいが、同一ではなく、非定型精神病はこれら「非定型」な疾患群を独立した臨床単位として分類した場合の呼称である。近年では操作的診断法の導入により、非定型精神病の診断名自体使われなくなりつつある[注 1]。しかし急性症状を主とする非定型精神病の診断を素早く的確に下し治療に役立てることは、患者の救命やQOLにつながるなど、一部では非定型精神病概念の再評価がなされている[2]


注釈

  1. ^ 「非定型精神病(Atypical Psychosis)」自体、日本独自の概念であるが、主に関西圏で使われることが多い。( 須賀英道 (2010) p.307 )
  2. ^ 精神運動(psychomotorik) - 精神活動を反映する運動。ウェルニッケによる概念で意思(精神)によって行う行為と、神経機能に直接結びついた運動の中間に位置する機能。( 大熊輝夫 (2010) p.103 )
  3. ^ 夢幻様状態(dreamy state) - 意識混濁あるいは意識変容に、幻視を中心とした精神運動興奮を呈する状態。( 野村総一郎 (2009) p.40 )
  4. ^ 分類されない症例のひとつに痴呆化しない予後の良い統合失調症の症例や、以後の境界例があったと思われる( 山本晃、岩切昌宏 (1997) )
  5. ^ ロベルト・ガウプ英語版(1870‐1953) ドイツの精神医学者。ウェルニッケ、クレッチマーに師事。
  6. ^ カール・ウェルニッケ英語版(1848‐1905) ドイツの精神神経病学者。ポーランド生まれ。マイネルト(T.Meynert)とウェストファル(C.Westphal)の弟子。精神病は脳病であるという立場の器質論者。
  7. ^ カール・クライスト英語版(1879 – 1960) ドイツの神経医、精神科医。
  8. ^ ヴァランタン・マニャン英語版(1835 - 1916) 仏、パリの精神科医、精神病理学者。
  9. ^ アンリ・エー英語版(1900 - 1977) フランスの精神科医。
  10. ^ カール・レオンハルト英語版(1904 - 1988) ウェルニッケ、クライストの流れをくむドイツの精神科医。
  11. ^ カタレプシー(catalepsy) 強硬症。他から与えられた肢位や姿勢を蝋人形のように長時間とり続る、意志発動の障害。( 大熊輝雄 (2008) p.103 )

出典

  1. ^ a b c d 大熊輝雄 (2008) p.361
  2. ^ 須賀英道 (2010) pp.306 - 307
  3. ^ a b 渡辺雅幸 (2007) p.82
  4. ^ Hatotani,N (1996). “The concept of 'atypical psychoses': special reference to its development in Japan”. Psychiatry Clin Neurosci 50: 1-10. 
  5. ^ 湯浅修一 (1989) p.71
  6. ^ 須賀英道 (2007) pp.63 - 64
  7. ^ Mitsuda,H (1967). “Problems in nosological classification.In: Mitsuda,H(eds.)”. Clinical Genetics in Psychiatry: 3-21. 
  8. ^ Mitsuda,H (1965). “The concept of "atypical psychoses" from the aspect clinical genetics”. Acta.Psychiat.Scand. 41: 372-377. 
  9. ^ 福田哲雄「非定型精神病(満田)の概念」『臨床精神医学』第11巻、1982年、425-430頁。 
  10. ^ 山本晃、岩切昌宏「非定型精神病の現代的位置づけ -精神障害のカタストロフ・モデル-」『大阪教育大学紀要 第IV部門』第46巻第1号、大阪教育大学、1997年8月、69-80頁。 
  11. ^ 堺俊明「成因と病理(遺伝)」『精神医学体系 第12巻 境界例・非定型精神病 第三章』第12巻、中山書店、1981年、157-167頁。 
  12. ^ 須賀英道「急性精神病における非定型精神病の再評価」『精神科治療学』第25巻第9号、星和書店、2010年9月。 
  13. ^ a b 須賀英道 (2010) p.308
  14. ^ 大熊輝雄 (2008) p.362


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