電装機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:27 UTC 版)
「国鉄EH10形電気機関車」の記事における「電装機器」の解説
主電動機は、EF15形とほぼ同等で絶縁強化等による熱対策を施したMT43形を8基搭載し、定格出力2,600kWを発生する。これはEF66形が定格出力3,900kWを達成するまで、日本国内の電気機関車としては最大の出力であった。 制御システムは手動進段式の単位スイッチ制御方式である。従来のEF15形から大きな差はなく、平凡だが信頼性を重視した手法である。 EF15形に比して出力が30%以上向上したことから、1,200t列車を牽引しての関ヶ原越えに耐える性能を得ただけでなく、平坦区間での走行性能にも余裕が生じ貨物列車のスピードアップにも貢献した。また、車体が二分割されていることにより生じた機器構成の複雑さ、点検・整備の手間が増えるという難点はあったが出力に対して機器に余裕があり、EF15形やEF58形の経験を反映したことからも主電動機や補助機器の故障が少ないといった利点があった。 ただしH型機関車として、8個モーターの直並列組み合わせで制御するされるように回路設計されたため、6個モーター直並列組み合わせ制御となる他のF型機関車とは出力特性の相違が発生する。このため標準的なF型機と相互同調を図りにくく、F型機の補機連結を受けての運用が難しいという欠点があった。この面は結局、補機運用を要さない区間での単機運用に徹することで、運用終了まで問題回避している。
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