雲州そろばんの製作用具
名称: | 雲州そろばんの製作用具 |
ふりがな: | うんしゅうそろばんのせいさくようぐ |
種別: | 生産、生業に用いられるもの |
員数: | 143点 |
登録年月日: | 2006.03.15(平成18.03.15) |
所有者: | 雲州算盤協同組合 |
所有者住所: | 島根県仁多郡奥出雲町 |
管理団体名: | |
備考: | |
解説文: | この資料は、島根県奥出雲町横田地区で江戸時代後期以来製作が行われてきたそろばんの製作用具で、昭和三十年代まで使用されたものを中心に収集したものである。奥出雲町は島根県の斐伊川【ひいかわ】上流の山間地にあり、鳥取県、広島県と境を接する地域である。奥出雲町横田地区で生産されるそろばんは雲州そろばんの名で知られ、全国で製作されるそろばんの過半数を占めるといわれている。横田地区におけるそろばん製作は江戸時代後期の天保年間(一八三〇~四四)に製作が始まったとされ、それ以後、珠削りなどの技術や道具の改良に努め、また明治以降は需要の増加、行商人の活躍もあってそろばん作りが大きく成長した。このように横田地区でそろばん製作が盛んになったのは、製作に使用する樫材、梅材、煤竹【すすたけ】など地元産の原材料が入手しやすかったこと、さらに、その製作に用いられる錐、鑿、鉋【かんな】などの刃物類の開発・改良にあたっても、この地域が古くからたたら製鉄が盛んなところであり鉄の入手が容易であったことなどが有利に働いたといわれている。 雲州そろばんの製作工程は非常に細かな数多くの工程に分かれているが、大きくは枠・中桟【さん】・裏板の製造、珠の製造、軸の製造、組み立て・仕上げの四つの工程に分けられる。これらの工程で使用される用具類は、枠・中桟・裏板の製造工程では鉋、〓【ほぞ】引鋸、鑿などがあり、珠の製造では珠の輪切り台、珠棒削り台、珠の穴ざらい、手回しろくろなど、軸の製造では芯こき、芯竹切り台など、組み立て・仕上げでは舞錐、枠締めなどがある。これら用具類はそろばん製作に携わった職人たちが自ら工夫しながら作り上げてきたものである。特にそろばん製作にあたっては珠削り、穴あけ、軸製作などの工程で均一に仕上げることが求められ、この工程でのできがそろばんの質を左右する。なかでも珠削り作業にあたって手回しろくろが開発され使用されるようになったことが雲州そろばんを均一に大量に製作できるようにした。 |
生産、生業に用いられるもの: | 白沢の養蚕関係用具 若狭めのうの玉磨用具 諏訪湖の漁撈用具及び舟大工用具 郷原漆器の製作用具 陸前高田の漁撈用具 雲州そろばんの製作用具 |
衣食住に用いられるもの: | 竹富島の生活用具 |
- 雲州そろばんの製作用具のページへのリンク