陸山会事件における虚偽の捜査報告書の問題
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「大鶴基成」の記事における「陸山会事件における虚偽の捜査報告書の問題」の解説
詳細は「陸山会事件」を参照 大鶴が東京地検次席検事の際の、陸山会事件の捜査の過程において、虚偽の捜査報告書作成が明らかとなった。田代政弘が作成した虚偽の捜査報告書は検察審査会に提出されており、小沢一郎の起訴相当議決の大きな要因になった可能性があるとされる。東京地方裁判所は2012年4月26日の小沢一郎への判決で、「検察官が、公判において証人となる可能性の高い重要な人物に対し、任意性に疑いのある方法で取り調べて供述調書を作成し、その取調状況について事実に反する内容の捜査報告書を作成した上で、これらを検察審査会に送付するなどということは、あってはならないことである」「本件の審理経過等に照らせば、本件においては事実に反する内容の捜査報告書が作成された理由経緯等の詳細や原因の究明等については、検察庁等において、十分調査等の上で対応がなされることが相当であるというべきである」と論じ、検察を厳しく批判した。 この問題について石川知裕の取り調べ責任者であった田代は、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」から虚偽有印公文書作成・行使と偽証の容疑で2012年1月12日に告発された。さらに同会は、2012年6月27日に大鶴のほか、陸山会事件の捜査に関わった佐久間達哉、齋藤隆博、吉田正喜、木村匡良、堺徹の各検事を検察審査会に対する偽計業務妨害や虚偽有印公文書作成・行使、犯人隠避などで告発した。「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」の告発状では、前田恒彦の証言として「積極的に小沢氏までつなげたがっていた一部の幹部として『大鶴次席検事』も挙げられていたことが複数の紙(誌)面で報じられている」とされ、また、「陸山会事件において、事実上の捜査指揮を執っていたのが大鶴であったことが報じられている」とされており、このことをもって偽計業務妨害罪の共犯とみるのが相当としている。 また、2012年5月2日夜に、インターネット上に供述録とされるもの、及び調書とされるものの2文書が投稿された。この虚偽の捜査報告書の作成について、当時の法務大臣・小川敏夫は、検察が田代個人の記憶違いとして幕引きを図っているのはおかしいとして、再調査指示の指揮権発動を内閣総理大臣・野田佳彦(当時)に相談したが認められなかった、と述べた。また小川はインタビューにおいて、この件が理由で解任されたことをほのめかしている。 2012年6月27日付けで、嫌疑なしとして不起訴となった。
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