陸上爆撃機型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 23:36 UTC 版)
空冷エンジンに換装された彗星三三型からは、「陸上爆撃機」に機種変更されたという記述が既存の書籍に散見される。また、最終型の四三型に至っては、機体後部が増速用噴進器(ロケット)取り付けのために改装され、着艦フック取付け部の凹みも無くなっており、これによって空母への着艦は完全に不可能となったが、時節を考えればこれは当然の処置とも言え、この事実をもって陸上爆撃機に機種変更されたなどという事実はない。 実際のところ、空冷彗星はまだ母艦航空隊であった頃の第六〇一海軍航空隊に配備されている。六〇一空がまだ第二艦隊の第一航空戦隊、すなわち空母部隊に属していた時期の、昭和20年(1945年)1月1日付の同航空隊戦時日誌では、配備されている彗星はすべて「三三型」となっている。 当時六〇一空の第四飛行隊長(天山艦攻)だった肥田真幸大尉の回想でも、1945年1月早々に天城で発着艦訓練を行ったとされている。肥田は自分の艦攻隊の発着艦訓練にしか言及しておらず、彗星や零戦については言及していないものの、以上を総合すれば、六〇一空がまだ母艦航空隊であった頃に、彗星艦爆隊(第三飛行隊長村川弘大尉。第二御盾隊指揮官として同年2月21日に戦死)は空冷の三三型のみで編成されていたことになる。 また、第一技術廠(もとの空技廠の本廠)の終戦後の連合軍への引渡目録に含まれる「海軍現用機性能要目一覧表」では、三三型が「艦爆」、四三型が銀河と共に「陸爆」と区分されている。また、彗星の設計は空技廠であるが、その「海軍現用機性能要目一覧表」には、「製造所」はどちらも「愛知」と記載されている。
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