陸上無線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 01:34 UTC 版)
固定地点間の通信は有線が基本であるが、電線を引く必要のない無線通信も早くから使われている。特に日本の国際通信は外国企業が運営する海底ケーブルから始まったため、外国と直接連絡できる無線回線は通信自主権の面からも要望が高く、またいわゆる外地との回線も重要だった。また1920年代にはラジオ放送が始まり、多数者への一方向通信という無線の新しい利用形態も生まれる。これらの陸上無線では、モールスなどの通信技能を要さない純技術的な業務が多く、通信士の資格を有さない者も多数従事していた。 二次大戦後は陸上無線でも自動化が進展し、国際電報などの手動モールスは衛星通信や海底同軸ケーブルが導入される1960年代には消滅した。また行政(治安・防衛・運輸など)や報道(通信社など)で運用されていた短波回線も、20世紀末までに殆んどが衛星通信へと転換された。 21世紀の固定地点間無線通信は、特に電気通信役務用では有線通信と一体化しているのが普通である。なお陸上無線におけるモールス以外の運用は、ほとんどの場合は無資格で可能だが、管理を行なう有資格者の配置を要する場合もかなりある。 陸上を移動する無線通信 は電話が中心で、また普及したのが二次大戦後ということもあり、運用は利用者自身によるのが導入時から一般的であった。各々の無線設備の操作は現在では無資格でも構わないのが普通である。有資格者を要するシステムの場合も、無線従事者は基地局などの1名で済むことが多い(陸上移動局#操作)。なお自衛隊・警察・消防などの陸上無線では、移動する側にも通信運用の専任者が存在する場合がある。
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