限定的な着水能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/25 05:10 UTC 版)
「水陸両用ヘリコプター」の記事における「限定的な着水能力」の解説
ヘリコプターは水面との接触にある程度の耐候性を持たせて設計することができる。双ローター機であるパイアセッキ H-25の艇体と機首下面のガラスを耐久性のあるアルミニウム製に変更して開発された1958年のバートル HUP-2は、機体の中ほどの左右に安定性を保つアウトリガー式フロートを備え、風向きがどうであろうと水面上を前後に滑走することが可能であった。 バートル CH-46 シーナイトとそのカナダ版のCH-113 ラブラドールは、凪いだ水面であれば着水して2時間までなら浮航することができる。後部スポンソンは3脚の降着装置の内の2脚を保持すると共に自動防漏式燃料タンクを内蔵している。この機種は1962年からアメリカ海兵隊に、1963年からはカナダ軍に就役し始め、貨物と兵員の輸送に使用されている。 CH-47 チヌークは、秘密作戦や特殊軍事作戦を実行するにあたり短時間なら着水できるように充分な水密性を保つように作られており、胴体両側面のほぼ全長に渡り延びているスポンソン内部の水密区画により浮力が増されている。着水可能時間延長のためにボーイング社は耐水性能向上キットを提供している。1966年に導入されたシコルスキー CH-53 シースタリオンも限定的な着水能力を有している。 軽量な陸上ヘリコプターの一部(エンストロム 480、RotorWay Execなど)にはスキッドや機体下部に取り付ける膨脹式のフロートがオプションとして用意されており、緊急着水時に膨らませることで沈没を防ぐことができる。あくまで救助を待つための装備であり長時間の利用には向かず、フロートは使い捨てとなる。 着水したヴァートル HUP レトリーバー スウェーデン海軍のHkp-1 緊急着水用のフロートを展開したRotorWay Exec
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