長髪の手入れとは? わかりやすく解説

長髪の手入れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/28 21:09 UTC 版)

大垂髪」の記事における「長髪の手入れ」の解説

平安朝姫君たちの髪の長さ背丈くらいあった。当然、これほど長い髪維持するのは想像以上労力を使う。毎日米のとぎ汁などで潤い与えながら梳り、眠るときは枕元置いた浅く広い漆塗りの箱にとぐろを巻くようにして入れておく。 入浴忌日避けて行われていたため、髪が洗えない日などは臭い消しに香を入れたに髪を巻きつけていた。風呂入っても乾かすのにかなりの時間がかかるため宮中女房たちには二日間の「洗髪休暇」があったほどであった。髪を伸ばすことが女性たち義務であったための措置であったが、そのためどれほど鬱陶しくても、髪が伸びて不揃いになっても、切らずに髪の先だけを削いでいた。 彼女たち二、三歳ごろまでは髪を全て剃りあげていて、「髪置きの儀」から髪を伸ばし始める。その後自然に伸びる任せておいて、一定の年齢になったところで吉日選び近世では十六歳、上代ではもっと早い現代成人式に当たる「鬢削ぎ」で髪の先をそろえる。 普通「千尋千尋」と唱えながら髪を削いでやるのは父か兄の役目だが、『源氏物語』紫の上光源氏のように婚約者手ずから明日の花嫁の髪を整え場合もあった。 この儀式過ぎた後は各人好みによって、額や頬の辺り、肩の辺りで髪の一部をそろえることも出来た。この短くした髪も「鬢削ぎ」という。ただし、これは活動しやすくする為ではなくて単に揺れる髪で容姿華やかさ添え為のもので、嗜みのない女房などは忙しいときはさっさと肩で削いだ髪を「耳挟みといって耳に掛けてしまう。ただしあまり頻繁に耳挟み」をしていると行儀が悪いとされ嫌がられた。また、髪の薄い人や、歳を取った人などは「髢(かもじ)」と呼ばれる入れ毛をして体裁を整える老女場合は若いうちに自然に抜け落ちた髪を取っておいて用にあてるが、生まれ付いて髪の薄い人の場合他人の髪を使っていた。 こうして見事に伸ばした髪も、夫に死別するなどして出家した時には尼削ぎといって、すべて肩の辺り切り揃えてしまい、その後は子や孫に囲まれて、華やかな衣装や宴とは無縁静かな一生を送ることとなる。

※この「長髪の手入れ」の解説は、「大垂髪」の解説の一部です。
「長髪の手入れ」を含む「大垂髪」の記事については、「大垂髪」の概要を参照ください。

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