銀河間空間とは? わかりやすく解説

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ぎんがかん‐くうかん【銀河間空間】

読み方:ぎんがかんくうかん

銀河間の空間恒星間の星間空間比べて密度低く銀河間物質として、1立方メートル当たり10程度電離し水素存在する


銀河間空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 18:34 UTC 版)

立方体中に再現された宇宙の大規模物質分布。青いフィラメント(繊維)構造が物質の存在を示し、黒い空間はボイド(超空洞)を示している。

銀河間空間: intergalactic space)とは銀河と銀河の間の空間である。宇宙の大規模構造に関する研究によれば、宇宙は泡状の構造になっている。銀河の集団である銀河団超銀河団銀河フィラメントと呼ばれる繊維状に並んでおり、空間全体の十分の一程度を占めている。残りの空間は超空洞またはボイドと呼ばれる巨大な空洞で占められており、この部分にはほぼ銀河は存在しない。典型的な超空洞の幅は700万~3000万パーセク(2300万光年~9800万光年)に達する[1]

概略

希薄なプラズマが、銀河の周囲を取り巻くとともに、銀河と銀河の間に伸びるように分布している[2]。この物質は銀河フィラメントの構造に組み込まれており[3]銀河間物質(IGM[注釈 1])と呼ばれている。その密度は宇宙の平均密度の5~200倍で[4]、大半はイオン化した水素、つまり同数の電子と陽子で構成されたプラズマである。

銀河間物質の「温度」は105 K~107 K(10万度~1000万度)で[5]、ガスがボイドから銀河間空間に「落ちて」くると、この熱エネルギーによって水素原子から電子が解放されてイオン化する。このプラズマは、地球上の基準で言えば超高温と言えるが、天文学的尺度に基づき、中高温銀河間物質英語版(WHIM[注釈 2])と呼ばれている[6]

コンピューターシミュレーションと観測の結果から、宇宙に存在する原子の質量のうちの半分がこのような希薄な状態で存在する可能性があることが分かった[4][7][8]。ガスがフィラメント構造のWHIMから銀河団に落ちると、 銀河団ガス (ICM[注釈 3])と呼ばれるようになる。ICMはさらに高温であり、その温度は108 K(1億度)かそれ以上に達する[9]

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ InterGalactic Mediumの頭字語
  2. ^ warm–hot intergalactic mediumの頭字語
  3. ^ Intracluster mediumの頭字語

出典

  1. ^ Wszolek 2013, p. 67.
  2. ^ Jafelice, Luiz C.; Opher, Reuven (July 1992), “The origin of intergalactic magnetic fields due to extragalactic jets”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 257 (1): 135–151, Bibcode1992MNRAS.257..135J, doi:10.1093/mnras/257.1.135. 
  3. ^ Wadsley, James W. et al. (August 20, 2002), “The Universe in Hot Gas”, Astronomy Picture of the Day (NASA), オリジナルのJune 9, 2009時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20090609150938/http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap020820.html 2009年6月19日閲覧。. 
  4. ^ a b Fang, T. et al. (2010), “Confirmation of X-Ray Absorption by Warm-Hot Intergalactic Medium in the Sculptor Wall”, The Astrophysical Journal 714 (2): 1715, arXiv:1001.3692, Bibcode2010ApJ...714.1715F, doi:10.1088/0004-637X/714/2/1715. 
  5. ^ Gupta, Anjali et al. (May 2010), “Detection and Characterization of the Warm-Hot Intergalactic Medium”, Bulletin of the American Astronomical Society 41: 908, Bibcode2010AAS...21631808G. 
  6. ^ Nature ハイライト:ミッシングバリオンの発見 | Nature | Nature Portfolio”. www.natureasia.com. 2023年3月30日閲覧。
  7. ^ Bykov, A. M. et al. (February 2008), “Equilibration Processes in the Warm-Hot Intergalactic Medium”, Space Science Reviews 134 (1–4): 141–153, arXiv:0801.1008, Bibcode2008SSRv..134..141B, doi:10.1007/s11214-008-9309-4. 
  8. ^ Wakker, B. P.; Savage, B. D. (2009), “The Relationship Between Intergalactic H I/O VI and Nearby (z<0.017) Galaxies”, The Astrophysical Journal Supplement Series 182 (1): 378, arXiv:0903.2259, Bibcode2009ApJS..182..378W, doi:10.1088/0067-0049/182/1/378. 
  9. ^ Mathiesen, B. F.; Evrard, A. E. (2001), “Four Measures of the Intracluster Medium Temperature and Their Relation to a Cluster's Dynamical State”, The Astrophysical Journal 546 (1): 100, arXiv:astro-ph/0004309, Bibcode2001ApJ...546..100M, doi:10.1086/318249. 

参考文献

外部リンク


銀河間空間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:56 UTC 版)

「宇宙戦艦ヤマト2199」記事における「銀河間空間」の解説

カレル163 ビーメラ星系の手前に存在する中性子星。この星の宙域では、カレル163重力勾配影響によって、ワープ時空座標にずれが生じる。ドメルはそのずれを見越してヤマトのワープアウト地点予測し待ち伏せて包囲することに成功したビーメラ星系 バラン星から約3万光年の距離に存在する星系。大マゼラン方面30光年近く離れた宙域亜空間ゲートシステム衛星存在する。ビーメラ4 ビーメラ星系の第4惑星。オムシスが不調になったヤマト補給のために立ち寄った緑一色だった旧作異なり地球に近い外観をしている。環境地球近く人類移住適している。 ヤマトがこの惑星到着した際、新見薫ら他惑星への移住企てていた「イズモ計画」派が反乱を起こす(#計画・作戦・戦争参照)。 かつてイスカンダル救済のためにやって来たらしいが、現在では滅び去った文明の遺跡のみが残っている状態となっている。ビーメラ人 ビーメラ4に生息していた人型節足動物背中の羽で飛翔することも可能。現在ではミイラ化した死骸残っている。 バラン星 銀河系大マゼラン銀河中間位置する自由浮遊惑星本作では形状極端に扁平な回転楕円体になっている。 その正体太古アケーリアス褐色矮星改造してつくった人工天体であり、惑星中心部にゲートシステム用の巨大なエネルギープラント惑星周囲亜空間ゲート二つ備えたエネルギー収束リング有するバラン位置と名称は、ユリーシャによって地球へ伝えられとされる行程表記されている。ヤマト銀河系出た後、この星を「灯台」として航行していた。 亜空間ゲートによるワープネットワークのハブステーションとして機能していたが、ヤマト波動砲によってエネルギープラント破壊されマゼランゲート崩壊するその後プラント崩壊による重力バランス変動に耐え切れず旧作酷似した姿に成り果てた。バラン鎮守府 ガミラス銀河方面軍司令部バラン星大気層浮遊している。2枚岩盤からなる特殊な構造をしており、下部プラットフォーム中心にアケーリアス文明残したとされる遺跡存在するバラン星中心部エネルギープラント崩壊した際に、巻き込まれ破壊された。

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