銀河系のハビタブルゾーン (GHZ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 06:57 UTC 版)
「ハビタブルゾーン」の記事における「銀河系のハビタブルゾーン (GHZ)」の解説
詳細は「:en:Galactic habitable zone」を参照 銀河の中心から十分に近いため地球型惑星が形成されるのに十分な金属量があり、しかし中心から十分遠くでもあり中心付近での高い恒星密度による彗星や小惑星の衝突の危険、超新星爆発による放射線、さらに銀河中心のブラックホールの影響などから逃れられる銀河内における領域を銀河系のハビタブルゾーン(英語: Galactic habitable zone、GHZ)と呼ぶことがある。すなわち、銀河のなかでどこに惑星系のハビタブルゾーンがそもそも存在できる条件なのか、この点を考慮したものである。 銀河系におけるハビタブルゾーンは、内縁が銀河核周辺で外縁が中心から10,000パーセク(約32,600光年)離れた環状の範囲で、形成されてから40–80億年が経過した星々を含み、時間が経過するごとにゆっくりと広がっていくとされている。他の銀河のハビタブルゾーンについてはほとんど分かっていないが、約250万光年離れているアンドロメダ銀河のハビタブルゾーンは銀河中心から3,000–7,000パーセク(9,780–22,820光年)離れた領域にある、形成から60–70億年が経過した恒星から成るという研究もある。 銀河系ハビタブルゾーンの概念について懐疑的な見方もある。天文学者の Nikos Prantzos は2006年のレビューにおいて、銀河系ハビタブルゾーンがあまりにも不確かなパラメータに基づいていると批判した。彼は、現状(2006年当時)の知識ではGHZの範囲について意味のある結論を導き出せないとし、銀河系全体で生命が発達可能と見做すことを提案している。GHZの範囲は、銀河系金属量の時間変化や、惑星の存在頻度と金属量の相関関係などの情報に基づいて導出される。これらは観測によって十分に解明されていないので仮定を採り入れざるを得ず、その仮定はGHZの範囲に対して敏感に影響を与えてしまう。例えばPrantzosの試算では、GHZは銀河系全域に拡がり、明確な定義付けはできないという結果になっている。
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