銀河系の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 04:28 UTC 版)
ヤンの師であるカプタインは、1904年に恒星の固有運動が直線的な2方向の「流れ」となっていると指摘した(「二星流説」)。リンドブラッドはそれを発展させ、銀河系の恒星がある一点を中心に公転しているとすればこの2つの流れは、太陽に近づいてくる星は太陽より銀河系の中心近くを公転しており、太陽から遠ざかっていく星は太陽より銀河系の中心から遠くを公転している、と解釈できると考えた(「銀河系回転説」)。 ヤンは太陽周辺の恒星の固有運動を統計的に処理し、銀河系回転説を実証した。さらに、リンドブラッドやシャプレーが行なっていた「銀河系の中心はいて座方向5万光年のところにある」という計算結果を3万光年であると訂正した。太陽と銀河系中心との距離は、現在もこのヤンによる値が使われている。また、太陽の公転周期が約2億2500万年であること、銀河系の全質量が太陽のおよそ1000億倍であること、恒星の公転周期は銀河系中心に近いほど短いことなどを明らかにした。
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