野焼きが行われる理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:07 UTC 版)
公害等調整委員会による知見および行為者への取材によると、 手っ取り早いから みんなもやっているから 機械を使わなくていいから 野焼き以外の方法だとコスト(お金)がかかるから などという理由で野焼き行為を行っており、また野焼きをする人には老人が多く、「昔からやっているのに何が悪い」などと主張するという。野焼き全体の内訳としては大阪府八尾市においては全体の5割が、兵庫県三田市では全体の約7割が農家による野焼きであった。行政側の事情としては廃棄物処理法の例外規定に「農業を営むためにやむをえない理由での廃棄物の焼却は例外」との旨の文があるため、取締には限界があるとしている。 また、野焼きの有害性や違法であるという認識が人々に浸透していないために、町内会の行事として野焼きが行われたり、取り締まる側であるはずの自治体職員、警察官や、議員によって野焼きが行われるケースも散見される。刑事事件として検挙された事例では、和歌山県湯浅町役場の男性課長が公文書115キロをドラム缶で野焼きし火災を発生させ、さらにそれらを隠蔽しようとしたが追求され、明るみに出たものがある。課長は廃棄物処理法違反罪で罰金40万円の略式命令、課長を手伝った男性係長は厳重注意の処分が下された。別の例では、兵庫県警の警官が竹7トンを野焼きし、書類送検および減給処分となったものがある。 自治体による監督能力がないために防げなかった野焼き(不法焼却)、不法投棄事件として豊島事件がある。 香川県豊島で、違法業者によって1975年から1990年12月までの約16年間もの間、総計90万トンにもおよぶ産廃の不法投棄および野焼きが県の黙認のもと公然と行われていた事件。激烈な公害、環境汚染が生じ、現在(2022年)に至っても事後処理が続いている。この事件がきっかけで廃棄物処理がより厳格化された。 「豊島 (香川県)#豊島事件(産廃不法投棄)」も参照
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