野焼きとの混同
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 00:41 UTC 版)
政策によって促された農業移民などの新規農業事業者が、商品作物を栽培する常畑設置のための火入れおよび地拵え(野焼き)を行なうことを、焼畑農法であると勘違いされることがある。 通常は耕耘・施肥を行わず、1年から数年間は耕作した後、数年以上の休閑期間を設けて植物群落を中心とした植生遷移を促す点が特徴である。農地化したまま森林を再生しない「焼き払い」と混同され、森林破壊の一因と思われがちだが、本来は自然環境の持続的な利用である。 こうした混乱の一因として「伝統的焼畑」と「非伝統的焼畑」という誤った二項対立が考えられる。というのは、後者の指すものは、実際には「投資家によるプランテーション造成」「農業移民による常畑開墾」など、焼畑ではないものであることがほとんどだからである。ここに見られる誤謬のように、「かつては無垢で自然と共存していた小農(焼畑民)が、現代の社会経済変化を経て環境破壊者に変わってしまった」という、様々な場面で登場する誤った言説は「失楽園物語」と呼ばれることもある。
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