運転面から見た3001形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 22:09 UTC 版)
「大阪市交通局3001形電車」の記事における「運転面から見た3001形」の解説
3001形は高性能の高加減速車であったため、使いこなせばすばらしい性能を発揮したが、使いこなすまでは従来車とあまりにも運転動作が違いすぎるために、戸惑う乗務員が多く現れた。 加速の際のマスコン操作は従来車とあまり変わりがないものの、三菱、日立の両社製間接自動制御器はいずれもカム軸式の自動進段機構を備えていて直接制御車のように主電動機電流量が下がりきる前にノッチ進段を行う追いノッチ操作ができず交差点通過などの急加速時には特別の操作を要したため、コントローラハンドルの操作(進段)がただちに加速に反映される直接制御器に慣れたベテラン乗務員を困惑させた。 また、制動時には15km/hまでは発電ブレーキ、15km/h以下になって空気ブレーキを使うこととなっていたが、地下鉄電車などから採用が始まりつつあったSMEEブレーキなどの電空協調機能付きの電磁直通ブレーキのように電空切り替えをスムーズに行うための特別の装置を備えていなかったためマスコンとブレーキ弁を併用するその操作は煩雑で、従来の習慣でいきなりブレーキ制御弁を操作し空気ブレーキで制動をかける乗務員が多かったことから、本来そのような使用法を想定していないドラムブレーキを焼きつかせる故障が続発した。さらに、力行中に制動に移る場合もカム軸の回転によるアイドルタイムが数秒入るため、電気ブレーキがすぐに利かずに接触事故を起こす事例もあった(これは各都市の間接制御車においても同様の事例が見られる)。 こうした事情から、従来の直接制御車に慣れたベテラン乗務員の中には乗務割り当て時に3001形を敬遠するものも見られた。もっとも、入局そうそうに3001形に乗務することになった若手乗務員達の反応はやや異なっており、その特性を十分理解・把握した上で高加減速性能を見事に使いこなし、3001形への乗務を歓迎する乗務員が少なからず存在したとされる。 こうした特性を理解・把握した乗務員が運転する3001形は、信号や道路条件さえよければ南北線(四ツ橋筋)において大阪駅前 - 難波駅前間を12分(地下鉄で10分)で、肥後橋 - 湊町駅前間を7分(地下鉄で6分)で。それぞれ走破することが可能であった。地下の駅へのアクセスタイムを考えれば、これは実質的な所要時分で地下鉄と十分に勝負できる速度であった。また、道路上で併走するバスやタクシーの運転手からは、通常の市電なら加速時に楽々引き離せるものが、3001形の場合は負けることなく追いつくので驚いた、という話がある。
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