運用上の不具合・故障など
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2008年6月5日 - 船内実験室設置直後に、空気調和装置の凝縮水熱交換器出口の水分検出器が自動で停止している。これは、船内実験室が通常2名、時間制限つきで4名在室できるよう設計されているのに対し、スペースシャトルのSTS-124搭乗員7人とISSの第17次長期滞在搭乗員3人の計10人の宇宙飛行士全員が船内実験室に同時に集まってしまったことにより、一時的に船内湿度が上昇したことなどが原因で水分検出器の自動停止機能が作動したためだと考えられている。前述のとおり、船内実験室はISS最大の与圧モジュールであり、ラック搬入前の船内実験室の広さに宇宙飛行士たちが「はしゃぎすぎた」のであった。 2010年4月21日18時頃、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ (SMILES) の受信系の機器の一部が待機モードとなったため観測を中断した。その後の調査で、原因はサブミリ波局部発振器 (SLO) 内部のガン発振器の配管内部に二酸化炭素が固着したことによる閉塞だと判明した。2011年1月19日に復旧を断念し運用を終了している。 2010年5月13日、「きぼう」有償利用事業の第2回目のテーマに選ばれた「植物種子を活用した宇宙教育プロジェクトと商用利用の試み」において、2009年8月より約8か月間軌道上で保管され、2010年4月に回収されたカボチャの種子2種類の内の1種類が所在不明となっていることが発覚した。その後、所在不明とされていたカボチャの種子は、規定上1つのみしか宇宙へ持っていけないため軌道上に運ばれず、NASAジョンソン宇宙センターに残されていたことが確認されている。 2018年7月18日16時頃、きぼう船内実験室で冷却水が僅かに漏れているのが見つかった。1日あたり0.025-0.03リットル漏れており、原因を調べたところNASAの米国実験ラック(EXPRESS Rack 5)内の配管から漏れていることがわかったため、修理を実施している。 上記のような不具合などが起きてはいるが、きぼうの不具合件数は、打上げから36か月後の2011年3月までに75件となっており、これはアメリカの実験棟デスティニーの打ち上げから48か月後の2005年2月までの175件より、不具合件数の発生頻度が少なく良好な実績を示している。
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