受信系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 00:08 UTC 版)
受信近傍の影響:受信に使用される各回路は、元々非常に微弱な信号を増幅するため、非常に高い線形性(低歪み)が要求される場合がある。受信信号が歪むと、隣接チャネルに強力な電波があった場合、隣接チャネルの帯域幅が広がり、自チャネルに落ち込み妨害となる。なお、周波数変調やアナログ位相変調など定振幅変調の場合は、非線形であっても何ら問題ない。むしろ、完全に歪ませる(飽和させる)ことで振幅変動やパルスノイズを抑圧し通信品質を高める。 相互変調歪(Inter Moulation Distortion, IMD):2つ以上の異なる周波数の信号(電波)があった場合、受信信号が歪むと、周波数の和もしくは差の組み合わせによる周波数に、合成された信号が生じる。その合成信号の周波数が、必要とする信号の周波数(自チャンネル)であった場合、妨害となる。この2以上の周波数による信号は、必ずしも受信信号である必要は無く、受信信号と送信信号であったり、受信信号と各種のノイズであったりする。業務無線においては、それぞれの周波数の信号自体は明瞭に復調できる為、妨害問題の上位を占める。また、複数の規格を利用する携帯電話などでは、相互変調歪による受信帯域への妨害波が重要な問題となっている。 高調波の影響(Harmonics Distortion, HD):受信に使用される各回路の非線形性により高調波が発生し、他の通信を妨害する。送信信号の高調波の回り込みも問題となる場合がある。単一周波数のみの受信回路では、急峻な特性のフィルタが多数使われるため、問題となることは少ないが、携帯電話を代表とする複数の規格を利用する受信回路では、単純にフィルタで除去することのできない場合が多い。
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