迫害の実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 14:25 UTC 版)
「パキスタンにおける信教の自由」の記事における「迫害の実態」の解説
インド・パキスタン分離独立の際には、パキスタンに帰属するとされた土地で多くのヒンドゥー教徒、シク教徒、ゾロアスター教徒、キリスト教徒が虐殺され、多くの女性がレイプされた。ただしインドに帰属するとされた土地では反対にムスリムが虐殺、レイプされる事が起こっていた。また多くの非ムスリムがパキスタンを逃れ、インドへと脱出した。 建国以来パキスタンはイスラーム信仰に基づく国家の正当性を強調しており、ヒンドゥー教徒やシク教徒、アニミスト、キリスト教徒などは差別的な取り扱いを受けている。イスラームからの離脱やムスリム女性と非ムスリムとの婚姻は法律で禁止されている。そのため多くの場合このような人々は偽りのアイデンティティーを用いる事を余儀なくされている。また、イスラームへの侮辱を禁ずる法律が非ムスリムも含めて適用されており、違反した場合逮捕、訴追もありうる。これはかつての『ズィンミー』(異教徒の隷属民)への処遇から引き継いだ面が多い。 このような差別を受け、非ムスリムの多くがイスラームへの改宗を余儀なくされた。そのため非ムスリムの人口は建国時と比べて大きく減少した。 イスラム原理主義者によるキリスト教教会やヒンドゥー教寺院へのテロや脅迫も少なからず存在している。 2008年6月には、パキスタンのムスリム男性がイスラームとムハンマドに対する冒涜という容疑で死刑判決を受けた。 2009年6月にパキスタンの女性キリスト教徒アーシア・ビビが預言者ムハンマドを冒涜したとして、第一審(2010年)および第二審(2014年)で死刑判決を受けた。2018年10月31日、パキスタン最高裁判所は逆転無罪の判決を下した(アーシア・ビビ事件)。
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