軌道、レール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 19:32 UTC 版)
軌間は主に1067mmと1435mmが採用されているが、函館市電と都電荒川線、東急世田谷線は、馬車鉄道の軌間を踏襲した1372mmを採用している。 レールは道路の舗装に対する厚みとレールの負担荷重に対応できる、HT (High Tee) レールと車輪のフランジが通る輪縁路を設けた溝形レール又は溝形ガイドレールが採用されており、前者は直線区間で使用され、後者は曲線・分岐器で使用されている。また、HTレールを敷設する場合には、車輪のフランジが通る輪縁路を設ける必要がある。 レールと道路の路面とは同一構造であり高低差がないようにしている、軌道敷の舗装は、板石などを敷詰めたたわみ構造の舗装が多かったが、最近では鉄筋が入ったコンクリート、モルタル、アスファルト、コンクリート枕木ブロックを使用してメンテナンスフリーを目的とした剛質構造の舗装が採用されている。また、軌道敷の外側の部分では、車道に向かって約1/20の勾配が設けられており、降雨による雨水は車道に流れて排水されるが、水平になっている軌道敷のレールの間では、輪縁路に沿って雨水が溢れやすいため、軌道を横断する下水溝を一定間隔に設置して、輪縁路の雨水を道路の側溝に導くようにしている。 併用軌道においては、線路の位置は道路の中央を原則としている。その理由としては、道路での自動車通行の往復が区分される、路面の排水が容易である、街角での交通の混乱が避けられるなどの利点が上げられるが、乗降時の車道横断時での自動車との接触などの危険を伴う欠点がある。また、自動車の円滑な通行を行うため、左右にある車道の幅は2車線の5.5m以上としており、道路上に路面軌道を敷設する場合の道路の幅は、中央にある複線の軌道敷の幅5.5mとその左右にある2車線の道路幅5.5m×2=11mとさらに左右にある歩道幅を加えて20m以上が望ましいとされている。 曲線半径は道路との関係で小さく最小半径は18m程度となっており、道路の勾配を複雑にするため、曲線でのカントは設けられていない。勾配は道路によって左右されるが、本線での最急勾配は40‰、停留場での勾配は起動条件や安全のため10‰以下としている。
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