貫通形デザインと波及
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 21:38 UTC 版)
「国鉄583系電車」の記事における「貫通形デザインと波及」の解説
貫通扉のスタイリングは、開発担当する車両メーカー設計陣のほか鉄道車両工業会に当時設けられていた鉄道工業デザイン委員会のメンバーが加わって検討が行われ、貫通扉と幌を覆う構造・運転台の窓構成・大きな車体断面から先頭部にかけての形の変化などが議論された。 貫通路方式は将来の列車分割・併合を見越したもので連結器もボンネット形で採用された自動連結器とカバーの構成から密着連結器に変更された。当時の特急列車は長距離輸送の主役であり、優等列車の先頭形状には優雅さが求められたことから、貫通扉・幌・さん板を隠す左右2分割式外扉を設置し、表面の特急マークも外扉の左右2分割式である。 クハネ581-27 クハネ581-7非貫通改造車 デザインも含めてこれらは後年の国鉄特急形電車に影響を与えた。 しかし、当時の電車特急は長編成での運行が基本であり分割・併合が実施されることはなく、後に正面デザインは前面貫通型をベースとしつつも貫通扉路を省略した先頭車(クハ481形300番台など)が登場することとなった。なお、本系列は非貫通型先頭車登場前に製造が終了したため落成した先頭車はすべて貫通型である。 また腐食や寒冷地での隙間風防止の観点から外扉の溶接を実施した車両が存在し、中にはクハネ581-7(→クハ715-3)のような事故復旧時に非貫通型に改造された車両もある。 JR東日本秋田車両センター配置のクハネ583形は修繕に際し完全に貫通路が埋められ非貫通型となった。同編成は青森所属時に外扉を溶接しているが、外見上はオリジナルに近く切れ目が入っている。 国鉄分割民営化前後、特急列車の短編成化と分割・併合運転が増加し、本系列も含め従来は使用することがなかった貫通型先頭車を活用する例がでてきた(詳細は後述)。また681系や285系のように設計当初から分割・併合を視野に入れ本系列に類似した外見・構造を持つ貫通型先頭車が登場している。
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