貢進生とは? わかりやすく解説

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貢進生

読み方:コウシンセイ(koushinsei)

明治時代人材養成制度


貢進生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 03:07 UTC 版)

貢進生(こうしんせい)とは、1870年(明治3年)に各からの推薦を受けて大学南校に入学した生徒のこと。

概要

米沢藩出身の平田東助と旧飫肥藩出身で明治3年5月8日(1870年6月6日)に大学別当の松平慶永より大学南校の少舎長に任命された小倉処平との建議を受け、明治3年7月27日太政官布告により、当時の各石高に応じ1名から3名の人材を大学南校に貢進することが命じられた。大学南校は、明治政府洋学を教授するため設置した教育機関であり、開成学校を経て東京大学(旧制)に発展する教育機関である。貢進生の総数は318名で、年齢は16歳から20歳とされていたので生年は1851年嘉永4年)から1855年安政2年)の者となるが、例外もある。

当時は他に、初等教育機関や中等教育機関が整備されていなかったため、大学南校(後の開成学校)は彼らの成長とともに、初等教育から中等教育を行い、徐々に外国語・専門教育を行った。

貢進生は、学ぶべき洋学の国籍に応じて英語・フランス語・ドイツ語に分かれ各国語の習得から学び始めた。1871年(明治4年1月)の段階で、英語は219名、フランス語は74名、ドイツ語は17名である。

大学南校は、南校(1871年(明治4年7月21日))-第一大学区第一番中学(1872年(明治5年8月3日))-開成学校(1873年(明治6年4月10日))と変遷する中で、開成学校段階から専門教育が開始され、1877年(明治10年)東京大学(旧制)成立以降、順次卒業生を出してゆき、貢進生はその第一期生を構成しているが、最優秀生は東京大学(旧制)卒業生ではない。

貢進生のうち最も優秀な学生が東京大学(旧制)卒業を待たずに、東京大学(旧制)成立以前の1875年(明治8年)及び1876年(明治9年)に文部省より海外留学生として派遣された。また、フランス語を学んだ者の一部が、司法省法学校に転じた他、他の高等教育機関に転校した者、さらに卒業を待たず政府に出仕した者もいる。しかし、各藩からの推薦に問題があったケースも多く、貢進生のうち半数近くが、このようなエリートコースを辿らずに、学校を退学・脱落していった。

意義

貢進生は、明治初期の日本において、西洋近代の学問を組織的に学んだ第一世代であり、帝国大学成立時において教授陣の中心を占めるなど、明治中期以降の日本のアカデミズムにおいて中心となって活躍した世代である。

主な出身者

第1回(明治8年)文部省派遣海外留学生

第2回(明治9年)文部省派遣海外留学生

第3回(明治11年)文部省派遣海外留学生

第4回(明治11年)文部省派遣海外留学生 

司法省法学校-司法省官費留学(明治8年)生

司法省法学校卒業(明治9年)生

司法省官費留学(明治9年)生

司法省出仕他

東京大学成立以前の政府出仕・卒業・退学・その他の学校卒業者

東京大学卒業・退学者

参考文献

  • 唐澤富太郎『貢進生』(ぎょうせい1974年
  • 「飫肥城歴史資料館紀要・読み物編第2集 飫肥西郷と呼ばれた男 小倉処平」(平成29年(2017年)、飫肥城下保存会)
  • 清水唯一朗『近代日本の官僚』(中央公論新社、2013年)
  • 「司法省法学校小史」(手塚豊著 『手塚豊著作集 9 明治法学教育史の研究』 慶応通信、1988年3月、ISBN 4766403851

関連項目


貢進生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 09:42 UTC 版)

吉田謙次郎」の記事における「貢進生」の解説

安政2年12月16日1856年1月23日武蔵国江戸下谷御徒町加賀藩士吉淳一の子として生まれた幼名幸太郎、後に謙之助、謙次郎。 明治3年1870年前田肇桜井次郎と共に金沢藩貢進生に選ばれ大学南校入学し安東清人保志虎吉、関澄等とドイツ語専攻した

※この「貢進生」の解説は、「吉田謙次郎」の解説の一部です。
「貢進生」を含む「吉田謙次郎」の記事については、「吉田謙次郎」の概要を参照ください。

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