財政が果たすべき三機能の具体的内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 13:54 UTC 版)
「健全財政」の記事における「財政が果たすべき三機能の具体的内容」の解説
資源配分機能について 民間の経済活動だけでは満たせない公共的な需要を満たすために行なう資源配分の機能である。公共的な需要とは、ダムや堤防などの社会インフラのように対価を支払わない者も利益を得てしまうので民間の経済活動には適さない分野や、警察や国防や水道のように民間に任せたのでは国家の安定が損なわれる危険がある分野や、道路や鉄道のようにネットワークですべてが結合していた方が効率が良くなるが、すべてを結合してしまい特定の民間事業者に独占されると不都合な分野における需要である。このような公共需要を満たすために供給されるものは、公共財・サービスであるので、資源配分機能とは公共財・サービスの供給機能とも言える。 所得再分配機能について 政府の収入と支出を通じて、個人間の所得の格差が一定範囲内に収まるように調整する機能である。具体的には、所得税や相続税における累進課税制度等により高額所得者や相続財産の大きい人にはより重く課税し、低所得者や相続財産の小さい人にはより軽く課税する。そして、支出においては生活保護費、年金などの社会保障給付などにおいて低所得者や心身障碍者等により多くの経費を振り向ける。消費税は低所得者ほど負担が重くなる逆進性があるので、所得再分配機能とは逆行するものである。 経済の安定化機能について 好況・不況という景気の変動をできるだけ少なくしながら安定的に経済成長をすることで、世界における自国の経済的地位および経済的地位の基礎となる軍事的地位の維持・向上を安定的に実現する機能である。景気の良いときは,個人や法人(会社)の経済活動は活発となり,利益(所得)が多くなる。利益が多くなると累進課税制度等により税金の負担額も増えるため,その分投資や消費にまわる資金が減ることから,景気の過熱に自動的にブレーキがかかる。逆に景気の悪いときは,経済活動は冷えこみ,利益(所得)が少なくなる。利益が少なくなると累進課税制度等により税金の 負担額も減るため,その分投資や消費にまわる資金が増えることから,景気の落ち込みを緩める。不況の時には政府支出の増加や減税を実行して経済全体の需要を増やし、逆に景気が過熱している時にはできるだけ政府支出を削減したり増税をする。
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