警察犬の犬種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 00:29 UTC 版)
家庭で飼育される犬種は約60種にのぼるが、このうち警察犬に適するのは数種に限られる。特にシェパードは、鋭い感覚を持っていること、運動ができること、頭の良さ、我慢強さ、落ち着きなどの理由から警察犬として最も適しているといわれている。 警察犬の主な犬種犬種特徴ジャーマン・シェパード・ドッグ 1880年頃、ドイツ中部および南部の山岳地方に存在した羊の番犬から高度な能力を有する軍用を目指して開発された犬種。第一次世界大戦でヴァイマル共和国軍が軍用犬として採用し、優秀さが認められた。世界中の公安機関で警察犬として利用されており、日本でも戦前、軍用犬として採用されている。日本国内の警察犬で一番登録数の多い犬種である。 ドーベルマン 19世紀末にドイツテューリンゲンのルイス・ドーベルマンが開発した犬種。軍用犬としても用いられた。断尾、断耳されることが多い。 エアデール・テリア 英国のテリア種で猟犬として使われていたが、英国、カナダなどで警察犬としての実績をもつ。 コリー 英国北部スコットランド高地地方の原産で、テレビドラマ『名犬ラッシー』で有名になった。日本では1958年から警察犬に指定されている。 ボクサー ドイツで闘犬として作出された犬種で、断尾、断耳されている。 ラブラドール・レトリバー 北欧や英国の原産で、カナダのラブラドル半島で海に落ちた魚等を回収する仕事に使われていた。盲導犬や麻薬探知犬として採用されている。日本では1984年警察犬に追加された。 ゴールデン・レトリバー スコットランド原産で、警戒能力は弱いが足跡追跡や臭気選別能力が高い。日本では1992年に警察犬指定された。 日本で警察犬種として日本警察犬協会が指定するものは、シェパード、ドーベルマン、コリー、エアデールテリア、ラブラドールレトリバー、ボクサー、ゴールデンレトリバーの以上7種。さらに民間の嘱託警察犬には指定犬種以外のもので、警察の嘱託を受ける犬がいる。 ミニチュア・シュナウザー 飼い主に対する忠誠心は非常に高い反面、見ず知らずの他人に対しては警戒心が強い傾向がある。 2010年1月1日、和歌山県警の嘱託警察犬として登録された(登録名は「クリーク号」、元の名前は「くぅ」)。クリーク号は日本初の小型犬種の警察犬である。 ロングコートチワワ 2010年11月19日、奈良県警の嘱託警察犬審査に合格し、2011年1月に登録された。体重3キログラムと小さいため災害などの捜索救助活動に携わる。 柴犬 日本古来の犬種で、日本犬の中では唯一の小型犬種である。忠誠心が厚く勇敢で、他人に対する警戒心が強い。日本犬の特徴的な性質として、やや頑固なところがある。 2011年6月に行われた岡山県警の嘱託警察犬審査で「二葉」が初めて合格。二葉は日本初の日本犬の警察犬となる。2013年6月に任期満了。 トイプードル 2011年11月18日に行われた鳥取県警の嘱託警察犬審査会で2頭が合格した。「捜索」の部門において日本初の採用が2012年4月の京都府警においてあった。 2015年10月、アンズは茨城県審査会にて初挑戦で県警初の小型警察犬として見事に合格。 ミニチュア・ダックスフント 熊本県警で採用された。 2013年10月現在、日本での小型犬種の警察犬は和歌山県警・奈良県警・鳥取県警(2頭)および熊本県警の6頭。
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