諸民族の伝承に見られる人間と動物の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 19:01 UTC 版)
「人間動物園」の記事における「諸民族の伝承に見られる人間と動物の関係」の解説
人間を動物扱いする人間動物園は、洗練さと野蛮についてのエスノセントリズムを進化主義によって粉飾した近代欧米発祥の装置である。一方『人間を動物と同一視する』という思想は目新しいものではなく、アフリカやアメリカ先住民やアジアの民間伝承においては、祖先を動物とする思想(トーテム)持っていたり、人間と動物は変身可能な対等な存在であると位置づけられていることがしばしばある。例えばギニアには、猿は本当はしゃべれるが白人に奴隷にされないようしゃべれないふりをしているのだ、という話があるし、ボノボの生息地に生きるバンツー系民族の焼畑農耕民バンガンドゥは、ビーリヤ(ボノボ)と人は同祖であり、兄弟であるという民話をもつ。 このような『人間も動物の仲間である』という動物観に基づいて行う人間の展示が、過去の人間動物園のように社会進化論の影響として批判・議論されることはない。例えば、日本モンキーセンターには人間が檻に入っているように撮影できる所があることが知られている。同施設の設立理由は ここに財団法人日本モンキーセンターを設立し、上記の研究を進めるとともに、その研究の成果をもって野生ニホンザルの保護繁殖およびその技術的指導をし、今日急激に需要を増してきた実験用サルの研究者への供給を行い、あわせて人類起源の探究に着眼した「サル類動物園」を設置経営し、学術教育および文化の発展に寄与せんとするものである。 — 設立趣意書 とあり、元々進化研究と関連がある。このような人間とサルの連続性を語る行為が、ポストコロニアル理論のもと批判されることはない。2009年11月27日から29日までの期間、ポーランドのワルシャワの動物園も同じ趣旨で同様の展示を行っていた。
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