証明の戦略とは? わかりやすく解説

証明の戦略

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 16:39 UTC 版)

ヴィノグラードフの定理」の記事における「証明の戦略」の解説

定理の証明は、ハーディ-リトルウッド円周法(英語版)(HardyLittlewood circle method)を使う。指数和(英語版)を S ( α ) = ∑ n = 1 N Λ ( n ) e ( α n ) {\displaystyle S(\alpha )=\sum _{n=1}^{N}\Lambda (n)e(\alpha n)} とすると、 S ( α ) 3 = ∑ n 1 , n 2 , n 3 ≤ N Λ ( n 1 ) Λ ( n 2 ) Λ ( n 3 ) e ( α ( n 1 + n 2 + n 3 ) ) = ∑ n ≤ 3 N r ~ ( n ) e ( α n ) {\displaystyle S(\alpha )^{3}=\sum _{n_{1},n_{2},n_{3}\leq N}\Lambda (n_{1})\Lambda (n_{2})\Lambda (n_{3})e(\alpha (n_{1}+n_{2}+n_{3}))=\sum _{n\leq 3N}{\tilde {r}}(n)e(\alpha n)} を得る。ここで r ~ {\displaystyle {\tilde {r}}} は N {\displaystyle N} 以下である素数のべきに限定した表現の数を表す。すると、 r ( N ) = ∫ 0 1 S ( α ) 3 e ( − α N ) d α {\displaystyle r(N)=\int _{0}^{1}S(\alpha )^{3}e(-\alpha N)\;d\alpha } となる。 α {\displaystyle \alpha } が有理数 p q {\displaystyle {\tfrac {p}{q}}} であれば、 S ( α ) {\displaystyle S(\alpha )} は q {\displaystyle q} を法とした剰余類の中の素数分布によって与えられる。従って、ジーゲル・ウォルフィッツの定理を使うと、小さな分母有理数近傍で、上記整数分布計算することができる。そのような有理数に近い実数集合は、通常優弧(major arcs)と呼ばれる複数区間形成し、その補集合劣弧(minor arcs)と呼ばれる優弧区間整数支配することがわかるので、定理証明するためには、劣弧含まれる α {\displaystyle \alpha } に対する S ( α ) {\displaystyle S(\alpha )} の上限を求め必要がある。この見積もり証明の最も難しいところである。 一般化されたリーマン予想前提とすると、優弧使った議論劣弧拡張することができる。これは1923年ハーディリトルウッドによってなされた1937年ヴィノグラードフは、 | S ( α ) | {\displaystyle |S(\alpha )|} の無条件の上限を与えた彼の主張は、結果の項が複雑な方法簡約整理され得られる単純なふるい法から始まる。1977年、ボブ・ヴォーン(英語版)(R. C. Vaughan)は、後日ヴォーン恒等式英語版)(Vaughan's identity)として知られる恒等式に基づく、非常に簡素化され結果発見した。彼は、 | α − a q | < 1 q 2 {\displaystyle \left|\alpha -{\frac {a}{q}}\right|<{\frac {1}{q^{2}}}} であれば、 | S ( α ) | ≪ ( N q + N 4 / 5 + N q ) log 4 ⁡ N {\displaystyle |S(\alpha )|\ll \left({\frac {N}{\sqrt {q}}}+N^{4/5}+{\sqrt {Nq}}\right)\log ^{4}N} となることを証明したジーゲル・ウォルフィッツの定理を使うと、 log ⁡ N {\displaystyle \log N} のべきの違い区別せず q {\displaystyle q} を扱うことができ、ディリクレ近似定理を使うと、劣弧上で | S ( α ) | ≪ N log A ⁡ N {\displaystyle |S(\alpha )|\ll {\frac {N}{\log ^{A}N}}} を得ることができる。したがって劣弧区間境界は、 C N log A ⁡ N ∫ 0 1 | S ( α ) | 2 d α ≪ N 2 log A − 1 ⁡ N {\displaystyle {\frac {CN}{\log ^{A}N}}\int _{0}^{1}|S(\alpha )|^{2}\;d\alpha \ll {\frac {N^{2}}{\log ^{A-1}N}}} , により制限され、これが定理誤差項補助項)を与える。

※この「証明の戦略」の解説は、「ヴィノグラードフの定理」の解説の一部です。
「証明の戦略」を含む「ヴィノグラードフの定理」の記事については、「ヴィノグラードフの定理」の概要を参照ください。

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