解析幾何学誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:51 UTC 版)
デカルトによって導入された座標平面。点と数の組が対応していることがわかる。 デカルトの幾何学に関する著作のページ。 デカルト : 解析幾何学の礎となる直交座標の概念を導入。 オイラー : 解析幾何学を発展させるにとどまらず、業績は当時の数学とその関連分野全般に渡る。 ユークリッド原論にも見られるように、数は図形として対応させて考えることもできる。デカルトはこの考えを拡張してデカルト座標を導入し、解析幾何学を導入した。解析幾何学は平面や空間に座標を定めて数と図形との関係を与え、逆に数を幾何学的に扱うことをも可能とした。それまでは幾何学的証明に限られた幾何学の問題を代数的に解くことも可能となったのである。座標の概念はフェルマーも研究していたが、欧米ではgéométrie cartésienne(デカルト幾何学、cartésienneは「デカルトの」の意)と呼ばれるようにデカルトの影響が極めて強い。 例えば直交座標平面上の任意の点の原点からの距離はピタゴラスの定理によって与えられるが、これは解析幾何学においては公理である。 解析幾何学はデカルトの哲学体系では数と図形の統一を目指したものであるが、アポロニウスの残した未解決問題、例えば三定点からの和が一定の曲線の研究なども目的とされていた。現代においてはコンピュータの画面表示などにも座標の概念が応用されている。また、幾何学の問題は現代では線形代数すら応用されて解かれることも多い。 解析幾何学の方法はヨーロッパ数学において同時期に発達した代数学や解析学においても盛んに用いられ、とくに17世紀解析学の発達は解析幾何学抜きには語れないであろう。18世紀にはオイラーによって解析幾何学は急激に発達させられその成果がまとめられた。オイラーの手によってアポロニウスによる古典的円錐曲線論は二次曲線や二次曲面論として解析幾何的手法を用いて代数的に書き換えられることとなった。
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