観測・評価の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 21:11 UTC 版)
「ヒートアイランド」の記事における「観測・評価の方法」の解説
ヒートアイランドの進行を示す資料の例(1)30℃以上の推定年間延べ時間の変化都市 1980年 2010年 仙台 31時間 90時間 東京 168時間 360時間 名古屋 227時間 434時間 ヒートアイランドは厳密には、「都市が無かった場合に推定される気温よりも実際の気温が高い状態」である。調べ方には、気象台やアメダスなどでの定点気象観測のデータをもとにした統計と、数値予報モデルによる推定の2通りがある。 ふつう、都市化の前後を含めた長期のデータにより、都市部と郊外部の気温変化を比較することで、ヒートアイランドの進行状況をみる。平均気温、月平均の最高および最低気温のほか、夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜、冬日などの日数の変化も、間接的に気温の変化を表すデータであり有効とされている。なおヒートアイランドの評価においては、「N年前よりもX℃上昇した」のように絶対的な気温変化ではなく、「N年前との比較で地点Aよりも気温上昇がX℃大きかった」のような郊外部との比較を行うのが適切であるが、これは地球温暖化などによる広域的な気温変化の影響を取り除くためである。 一方、定量的な指標ではないが、初雪、初霜、初氷、雪日数といった季節現象、桜の開花、紅葉、セミの初鳴きといった生物季節の変化もヒートアイランドの影響を知る手がかりとして用いられることがある。 定点気象観測より小さい間隔の観測として、近年広く用いられているのがリモートセンシングである。センサーを搭載した人工衛星により、都市とその周辺部の表面温度を観測するもので、低コストで効果的にデータを得ることが可能である。
※この「観測・評価の方法」の解説は、「ヒートアイランド」の解説の一部です。
「観測・評価の方法」を含む「ヒートアイランド」の記事については、「ヒートアイランド」の概要を参照ください。
- 観測評価の方法のページへのリンク