西域北道のその他の遺跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:04 UTC 版)
「中央アジアの美術」の記事における「西域北道のその他の遺跡」の解説
西域北道沿いの遺跡から出土した遺物として、カラシャール近くのショルチュクと、トゥムシュクのトックズ・サライ寺院址の出土品を紹介する。 如来坐像(画像参照) カラシャール、ショルチュク、キリン窟、粘土製、高さ102.0センチメートル、ベルリン、インド美術館所蔵。ショルチュクはトルファンとクチャの間、カラシャール(焉耆)の南西に位置する。ここには多くの仏寺や石窟が営まれ、これらを飾った塑像や壁画が残っている。この如来像は、方座の上に反花を表した台座に坐す。黄色の下衣に朱色の大衣を着、頭髪は波状に表している。 仙人サンチャーリン本生図(画像参照) トゥムシュク、トックズ・サライ大寺院址B出土。6 - 7世紀。粘土製、75×76センチメートル。トゥムシュクは西域北道の西方、現在のアクスとカシュガルの中間に位置するオアシスで、古代の地名は不明である。当地のトックズ・サライ(9軒の宿所の意)という地点には西域北道でもっとも西に位置する寺院址があり、ペリオやル・コックによって調査されている。本品は1906年ペリオが発見した作品。本生図とは、釈迦の前世における善行の物語を造形化したものである。釈迦の過去世の一つである仙人サンチャーリンは、大樹の根元で長い時間座禅をしていたところ、頭の上に鳥が巣を作って卵を産んでしまった。そのため、仙人は雛が巣立つ時まで座禅を続けたという話である。本作品は粘土で作った群像で、仙人の上には2羽の鳥と仙人を讃嘆する2体の飛天が表される。 浮彫群像(仙人サンチャーリン本生図)トムシュク出土 ギメ美術館蔵 青釉把手付水注 トムシュク出土 ギメ美術館蔵
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