製品および生産工程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 08:28 UTC 版)
「有松・鳴海絞り」の記事における「製品および生産工程」の解説
従来の手ぬぐいや浴衣など和洋の衣類に用いる木綿のほか、振袖や訪問着などの絹織物、インテリアなど、様々な用途に活用されている。模様だけでなく、絞りで生じた布の凹凸やプリーツといった絞りの特性を活かした新たな素材の開発や、アート作品としての新たな絞りを模索する研究も進められている。 製品が誕生するまでには、複数の専門職人の手を経て平均50日から60日を要する。複雑な手工技術に支えられた産業であり、技術者の減少と後継者不足によって需要を満たせない課題が、20世紀以降明らかとなっている。 有松・鳴海絞りは問屋制家内工業で、21世紀初頭においては、愛知県絞工業組合が約40名からなる組合員を統括し、組織的に生産している。 絞り模様を生み出す「くくり方」は、各技術者が一人一芸を基本とし、約100名の職人がそれぞれに技を継承する。有松・鳴海絞りは日常生活における実用品であり、通常は使い捨てるため、作品や資料の保存は歴史的に優先されてこなかった。そのため、くくりの手法は見よう見まねで継承され、一定の地域に代々特定の技法が受け継がれた。くくり方は、専業の職人ではなく、かつては周辺地域で農家の女性の副業として広く行われた。昭和の中頃まで、女性達が農家の縁側などに集まり、世間話をしながらくくり仕事をした光景は、緑区だけでなく、南区、昭和区、豊明市、知多半島、三河地方など一帯でみられたという。きんさんぎんさんは2人ともこの工程にたずさわっており、有松・鳴海絞会館にはきんさんぎんさんに縁のウコン桜が植えられている。 一般的に、有松・鳴海絞りの大まかな生産工程は以下のような流れとなっている(技法によってはこれに当てはまらないものもある)。一連の工程は分業化されており、複数の業者がかかわる。下絵付けした布をくくり方に配り、仕上がりを回収してまわる役割の者は「取次職」とよばれ、「影師」ともよばれた。
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