製剤方法による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:46 UTC 版)
乳剤 水に溶けにくい有効成分を有機溶媒に溶かし、さらに水に馴染みやすくするために界面活性剤を加えたもの。使用時に水で希釈するとエマルションになる。 水和剤 水に溶けにくい有効成分を、鉱物などに混ぜて微粉状にし、水に馴染みやすくしたもの。水で希釈して使う。風で飛び散らないよう、粒状に成形したものは顆粒水和剤、またはドライフロアブルと呼ばれる(そのうち、水田用除草剤は顆粒とも呼ばれる)。 水溶剤 水溶性の有効成分を水に溶かし、希釈して使う。 液剤 有効成分の水溶液。そのまま使うものと水で希釈して使うものがある。 粒剤 有効成分に鉱物粉などに混ぜて粒状にしたもの。水に溶かさず、そのまま散布する。粒径によって微粒剤、細粒剤などがある。 粉剤 有効成分に鉱物粉などに混ぜて粉状にしたもの。水に溶かさず、そのまま散布する。粒径とその割合によって微粉剤、DL粉剤、フローダスト剤などがある。 マイクロカプセル 有効成分を高分子膜で被覆して数μm - 数百μmくらいのマイクロカプセル状にしたもの。 燻蒸剤 常温または水を入れて有効成分を気化させて利用するもの。 燻煙剤 着火または加熱により有効成分を気化させて利用するもの。 エアゾール ケロシンやアセトンに有効成分を溶かし、液化ガスの圧力でスプレーできる容器(スプレー缶)に入れたもの。 フロアブル剤 ゾル剤とも呼ばれる。溶剤に溶けにくい固体有効成分を、水和剤よりも細かい微粒子にして水に混ぜ、液剤化したもの(登録上の分類は水和剤)。 EW 水に溶けにくい有効成分を、高分子膜や界面活性剤などで被覆することで水に混ぜ、液剤化したもの。有機溶媒を使わないため、危険物にあたらない利点もある(登録上の分類は乳剤)。 マイクロエマルション 水に溶けにくい有効成分を最低限の有機溶剤に溶かし、界面活性剤で水に混ぜ液剤化したもの(登録上の分類は液剤)。 ペースト剤 有効成分に鉱物粉などに混ぜて糊状にしたもの。塗布して使う。 錠剤 水溶剤や水和剤を、錠状に成形したもの。現場で計量する手間が軽減できる。水で希釈して使う。 塗布剤 もっぱら塗布して使うもので、他のどの剤型にも当てはまらないもの。 粉末 粉状で、他のどの剤型にも当てはまらないもの。 微量散布用剤 空中散布における微量散布(ULV)専用に、有効成分を有機溶媒に高濃度に溶かしたもの。 油剤 水に溶けにくい有効成分を有機溶媒に溶かした油状の液体。 パック剤 水稲用の殺虫剤、殺菌剤の粒剤を水溶性フィルムで包装したもので、水田に畦から投げ込んで使う。散布機不要で、飛散が無い。 ジャンボ剤 畦から投げ込んで使う、錠剤または水溶性フィルム包装の粒剤の水田用除草剤(登録上の分類は剤または粒剤)。 WSB剤 水和剤や水溶剤を水溶性フィルムで包装したもので、袋ごと水に溶かして使う。調製時の粉立ちが無く、使用者に安全である。 複合肥料 有効成分を肥料に混ぜたもの。 剤 他のどの剤型にも当てはまらないもの。
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