行進後の衝突
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:21 UTC 版)
「2019年6月9日香港逃亡犯条例改正案反対デモ」の記事における「行進後の衝突」の解説
20時33分、香港衆志は立法会総合ビルの駐車場前に座り込み、デモ参加者に「堵塞立法會」(立法会の封鎖)を呼びかけた。また、政府に対しては保安局長の李家超(中国語版)と行政長官の林鄭月娥との会談を要求した。その後、警察により10日の午前2時半頃に1人ずつ連行された。 また9日の23時には政府が逃亡犯条例改正案の第二読会の予定(6月12日)を変更しないと発表したため、デモ参加者の一部が立法会総合ビルの占拠を試みた。これに対し機動隊がトウガラシスプレーと警棒による鎮圧を試みたが、警察1名が警棒で殴られるという事件もおき、合計では警察3名と無綫電視のカメラマン1名が負傷した。そして、警察はデモ隊に違法デモへの参加をやめるよう警告したのち、デモ隊を立法会近辺から追い出した。デモ隊数百人はすぐに龍和道(中国語版)に移ってバリケードを設けたが、警察の特殊戦術小隊により分断され、西の中環と東の湾仔の2方向に追いやられた。 東側のデモ隊は午前2時すぎに分域街(中国語版)から告士打道(中国語版)の車線に出て、ごみ箱やバス停標識柱などをバリケードとして設置し、一方西側のデモ隊は添馬公園からセントラル・フェリーターミナル(中国語版)まで追いやられ、フェリーターミナルで休んでいた記者も追い出された。このとき、立場新聞の記者が取材中に警察から「垃圾」(ごみ)とののしられ、記者であると身分を表明した後も警察用の盾で押されたり、カメラにフラッシュを向けられたりしたという事件がおきた。さらに警棒で指差されつつ「不要拍攝」(撮影するな)と命じられたほか、警察1名が記者の鞄にあるボトルウォーターを武器であると主張して捜査を要求した。香港記者協会(中国語版)は警察の行為が取材権の侵害であるとして抗議した。現場にいた記者は後に「このような取材の経験は深圳河の北(中国大陸)ではよくあることだが、まさか香港でもこのような経験をするとは思わなかった。そして、おそらく、今後も頻繁に起こるだろう」との感想を述べた。西側のデモ隊を追いかけていた警察は香港駅の人道橋まで前進したのち、フェリーターミナルでデモ隊の一部を押し倒して逮捕した。 東側のデモ隊については3時頃より告士打道(中国語版)の旧湾仔警察署(中国語版)近くで包囲されたが、その間にデモ参加者2名が倒れて病院に運ばれた。また、逮捕する前にデモ隊に帽子やマスクを外すよう要求して、上司になだめられるという事件もあった。そして、警察は4時に包囲したデモ隊358人に対し、違法デモに参加した疑いがあるとして持ち物検査を行い、デモ隊の写真を撮影したのち釈放した(違法デモへの参加の容疑による起訴については留保した)。その後、IDカードを持っていないことを理由に逮捕されたデモ隊1名を除き、6時までに全員が釈放された。 機動隊を背に座り込みを続けるデモ参加者 立法会総合ビルの駐車場入り口が破壊された様子 0時すぎにデモ隊数百人が龍和道(中国語版)に移り、バリケードを設けた様子 龍和道に立つ特殊戦術小隊 午前3時頃より包囲されたデモ隊358名
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