著作 『天国への階梯』
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「ヨアンネス・クリマコス」の記事における「著作 『天国への階梯』」の解説
『天国への階梯』はクリマコスの主著であり、今日も読まれる教訓書である。元来は修道士の指導のために書かれ、修道の基本的な心得、欲望、活動および観想的生活の諸徳、その完成としての愛について述べ、神へといたる階梯である信仰生活のための手引きを意図している。 全30章とした理由について、クリマコスはイエス・キリストの私生涯(洗礼を受けて宣教をはじめるまでのイエスの人生)が30年からなることにちなんだとしている。はしごのイメージは、創世記にある「ヤコブのはしご」から来ている。天と地をつなぐこのはしごは、キリスト教の伝統においてはキリストの予表と解釈されている。 (1)-(30)の各章の題名は次のようになっている。 (1)この世の放棄 (2)欲望から超然としていること (3)流謫 (4)従順 (5)悔悛 (6)死の想起 (7)悲しみ嘆くこと (8)怒り (9)敵意 (10)中傷 (11)饒舌 (12)虚偽 (13)嫌気-アケーディア (14)大食 (15)渇望 (16)-(17)食欲 (18)-(20)無感覚 (21)恐怖 (22)虚栄心 (23)驕慢そのうえ冒とく (24)愚直 (25)謙遜 (26)識別 (27)静寂-ヘシュキア (28)祈り (29)不受動心-アパテイア (30)愛 日本語訳 『楽園の梯子』(第27-30講話を所収)手塚奈々子訳、解説 - 『中世思想原典集成3 後期ギリシャ教父・ビザンティン思想』収録、平凡社、1994年8月初版。
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