英語字幕版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 06:00 UTC 版)
アメリカ・パデュー大学の畑佐一味教授が、映画『きょうを守る』のニュースをインディアナ州でNHK国際放送(テレビジャパン)で視聴し、字幕をつける可能性に興味を持ち、その旨をやまなし映画祭の関係者にメールを送った。監督の菅野は畑佐の申し出を快諾し、英語字幕プロジェクトが始まった。 字幕つけをプロに仕事として依頼するのではなく、本編を分割して、日本語を勉強している学生達が手分けして字幕をつけるという学習プロジェクトと位置づけた。こうすることで、単に字幕付きのドキュメンタリーを制作するだけではなく、日本語の学習活動をしながら、震災の被害についての理解を深め、これからの復興について考える機会を持つというプロジェクトになった。 パデュー大学の同僚である深田淳教授が字幕付けの作業を進める具体的な方法と段取り作りに協力した。関係者のみがアクセスできるようにGoogle Docsに作業用のファイルを作り、分割した本編の映像ファイルがAVI形式で用意された。 本編(70分)を16の部分に分割した。脚本に基づいて台詞を言っているドラマや映画と違い、自然なインタビューでは、言いよどみ、言い換え、繰り返し、独り言、間違い、終わりがない文などが多く含まれ、文字おこしの作業は学習者には本人達が想像していたより難しかった。難しすぎる場合は担当教員あるいは日本語母語話者が手伝った。文字おこしした日本語を英訳し、それを元にAegisubという字幕ソフトを使って、独立した字幕ファイルを作る作業を進めた。 プロジェクトに参加していたのはパデュー大学(深田淳、畑佐一味)、ミドルベリー大学(スティーブ・スナイダー)、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター(秋澤委太郎、半沢千絵美)、タフツ大学(森田喜代子)、フランクリン&マーシャル大学(三浦謙一)、エリザベスタウン大学(高橋宣明)、ワシントン&リー大学(氏家研一)、ノートルダム大学(纐纈憲子)、インディアナ大学(栗山)、イリノイ大学(サドラー)、カールトン大学(加賀真理子)、ユタ州立大学(ニーリ敦子)であった。 なお、日本語学習者の上級者には中国語母語話者、韓国語母語話者も多く含まれていたので、それぞれの言語での字幕づくりも進められた。現在はトルコ語字幕、韓国語字幕、日本語字幕がある。
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