花崗岩の風化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 01:41 UTC 版)
花崗岩は固くて緻密である。しかし、花崗岩は結晶粒子が大きく、かつ、鉱物の種類によって結晶の熱膨張率が異なるため、温度差の大きい所では鉱物の境界線の部分で結合が弱まり、次第にひび割れてゆき易い。例えば、直射日光などで直接加熱される花崗岩の表面などは、ボロボロになって崩れてゆき、いわゆる風化した状態へと変化し易い。さらに、花崗岩中の斜長石や黒雲母も、比較的風化を受け易い鉱物である。これに対して、花崗岩中の主成分である石英の結晶は、非常に風化し難いため、花崗岩の風化が進むと、構成鉱物の粗い粒子を残したまま、バラバラの状態になり、非常に脆く崩れ易くなる。このようにして生成した白から黄土色の粗い砂を、真砂土、あるいは単に真砂と呼ぶ。 花崗岩地帯には真砂が広く分布し、強い降雨により多量の砂が流れ出すため、日本では花崗岩地帯の多くが砂防地域として指定されている。また、真砂は学校の校庭の敷き砂などとして利用される。この真砂が河川によって海まで運ばれると、風化に強い石英を主体とした砂が残り、白い砂浜が形成される。例えば、瀬戸内海沿岸の白砂青松や山陰地方の砂丘は、中国山地の大量の花崗岩が元である。 また、石英と比べれば風化し易い鉱物である斜長石は、風化に伴ってカオリナイトへと変化してゆく。純度の高いカオリナイトは、陶土として使用される。それゆえ焼き物の街と呼ばれる場所は、花崗岩が地表に出ている地域の周辺に存在する場合が多い。例えば、瀬戸や信楽などが、その代表例である。
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