自転軸の方向が変化する仕組みとは? わかりやすく解説

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自転軸の方向が変化する仕組み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 12:53 UTC 版)

ブーメラン」の記事における「自転軸の方向が変化する仕組み」の解説

自転軸の方向が変化する仕組みを理解するには、剛体回転運動生ず歳差運動プリセッション運動)を理解する必要がある。これは、自転する円盤に、その自転軸直交した周りトルク加えた場合円盤自転軸トルク印加それぞれに垂直な周り回転運動をするというものである。今、回転その向きを右ネジ原理(右ネジねじ込む際にネジが進む向き回転向きとする定義)で考えた場合プリセッションによる回転向きは、自転軸向きトルク軸へ合わせるように回転させた場合一致する別の表現をすると、右手親指人さし指中指それぞれ直交するような状態(フレミングの右手の法則のような)にしたとき、人さし指自転軸向き中指トルク印加軸の向き親指プリセッション向きとなる。 さて、ブーメランがその自転面を垂直から少し傾いた状態で飛行している場合ブーメランの翼に当たる相対風は自転面内で異なる。すなわち、ブーメラン自転により瞬間的な翼の運動の向き進行方向一致している部分(翼の前進側)と、進行方向逆行している部分(翼の後退側)が現れる。すると、翼の前進側では相対風が大きいことにより揚力大きくなり、翼の後退側は揚力小さくなる。ここで想定しているブーメラン飛行状態では、上半分が翼の前進側で揚力大きくなり、下半分が翼の後退側で揚力小さくなる。すると、ブーメラン自転の上端を自転軸向き側に回転させようとするトルクトルク印加軸の向き進行向き逆向き)が発生する。このトルクで、自転軸向きトルク印加軸の向き向かって回転するようなプリセッション運動誘起される。 以上よりブーメラン剛体としての回転運動揚力平成分の組合わせによる向心力により、ブーメラン旋回軌道を描くことになる。 また、ブーメラン自転面の前方半面上流側半面)で発生する揚力影響で、後方半面下流側半面)でのブーメランの翼の迎え角相対的に小さくなり、後方半面発生する揚力前方半面よりも小さくなる。これによってちょう上記プリセッション運動の向きトルク印加されることになり、このトルクによるプリセッション運動は、ちょうどブーメラン自転面が平で自転軸上向になるような回転運動となる。 以上のようなもう1つプリセッション運動が、旋回して手元戻って来たブーメランホバリングするような挙動を示す要因であるとされるオーストラリアアボリジニブーメランは、その翼端ひねってあるのが特徴である。これによって、他のブーメランにはない複雑な軌道を描くことができる。 なお、詳細な理論的分析はまだ不明であるが、2008年3月宇宙無重力下(微小重力下)でも地球上同様にブーメラン手元戻ってくる運動現象が、土井隆雄宇宙飛行士国際宇宙ステーション米国実験棟デスティニー」の基地内で行った実証実験により確認された。本実験土井知人であり2006年ブーメラン競技一つであるオーストラリアンラウンド種目で、世界1位となった栂井靖弘提案依頼に基づくものである井は、出立前に土井投げ方指導の上直径13cmと20cmの紙製ブーメラン2種類託していた。

※この「自転軸の方向が変化する仕組み」の解説は、「ブーメラン」の解説の一部です。
「自転軸の方向が変化する仕組み」を含む「ブーメラン」の記事については、「ブーメラン」の概要を参照ください。

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