脊椎動物の進化と錐体細胞の遺伝とは? わかりやすく解説

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脊椎動物の進化と錐体細胞の遺伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 07:06 UTC 版)

錐体細胞」の記事における「脊椎動物の進化と錐体細胞の遺伝」の解説

脊椎動物色覚は、網膜中にどのタイプ錐体細胞を持つかによって決まる。魚類両生類爬虫類鳥類には4タイプ錐体細胞を持つものが多い(4色型色覚)。よってこれらの生物長波長域から短波長域である近紫外線までを認識できるものと考えられている。一方霊長類以外のほとんどの哺乳類錐体細胞を2タイプし持たない2色型色覚)。哺乳類祖先爬虫類4タイプ全ての錐体細胞持っていたが、初期哺乳類は主に夜行性であったため、色覚生存必須ではなかった。結果4タイプのうち2タイプ錐体細胞失ったヒトを含む旧世界霊長類狭鼻下目)の祖先は、約3000万年前X染色体新たな長波タイプ錐体視物質遺伝子出現しX染色体を2本持つメスのみの一部3色型色覚有するようになり、さらにヘテロ接合体メスにおいて相同組換えによる遺伝子重複変異起こして同一X染色体上に2タイプ錐体視物質遺伝子保持されることとなりX染色体を1本しか持たないオス3色型色覚有するようになった。これによって、第3錐体細胞(緑)が「再生」された。3色型色覚は(ビタミンC糖分多く含む)赤色系の果実を緑の々のなかで発見するのに便利なので、生存維持有利だった考えられる。 なお、時代下ってヒト色覚研究成果より、ヒト属す狭鼻下目マカクザル色盲ヒトよりも非常に少ないことを考慮すると、ヒト祖先狩猟生活をするようになり3色型色覚優位性低くなり、2色型色覚淘汰圧下がった考えられる色盲出現頻度狭鼻下目カニクイザルで0.4%、チンパンジーで1.7%である。広鼻下目ヨザルは1色型色覚でありホエザル狭鼻下目同様に3色型色覚を再獲得している が、これらを除き残り新世界ザル広鼻下目)はヘテロ接合体X染色体を2本持つメスのみが3色型色覚有しオス全て色盲である。これは狭鼻下目のようなX染色体上で相同組換えによる遺伝子重複変異を起こさなかったためである。ヒト上記のような初期哺乳類霊長目狭鼻下目祖先X染色体遺伝子変異受け継いでいるため、L錐体のみを保持したX染色体関連する赤緑色盲伴性劣性遺伝をする。男性ではX染色体赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいると色盲発現し女性では2本のX染色体とも赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいる場合赤緑色盲発現する。なお、日本人では男性の4.50%、女性の0.165%が先天赤緑色覚異常で、白人男性では約8%が先天赤緑色覚異常であるとされる

※この「脊椎動物の進化と錐体細胞の遺伝」の解説は、「錐体細胞」の解説の一部です。
「脊椎動物の進化と錐体細胞の遺伝」を含む「錐体細胞」の記事については、「錐体細胞」の概要を参照ください。

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